今年もあと2ヶ月あまりとなったが、これから年末にかけて金融市場にとって重要なイベントがいくつかある。
最初の重要イベントは、11月8日に投票が行われる米大統領選だ。民主党のヒラリーと共和党のトランプの一騎打ちとなった今年の大統領選だが、最近1~2ヶ月になってヒラリーがかなり優勢になってきた。しかし結果は投票日までわからず、トランプが勝ったらサプライズで金融市場が荒れることになりかねない。
11月30日にはオーストリアのウィーンで、OEPCの総会が開催される。そしてここで産油国が生産調整で合意できるかどうかで、原油価格が大きく動くことになる。9月末には産油国による非公式会合が開催され、そこで原油の生産量を日量3250~3300万バレルで抑えることで合意。11月末のOPEC総会ではそこから一歩進んだ内容で合意できるかどうかの問題になる。
そして12月4日には、イタリアで国民投票が行われる。この国民投票は上院の権限を制限する法案の是非を国民に問うための投票だ。イタリアは歴史的に政局が不安定で、その状況を変えるためにレンツィ首相が法案と国民投票を提案した。レンツィ首相はこの国民投票に政治生命をかけており、否決された場合は辞職する構えでいる。
しかしレンツィ内閣が辞職し議会が解散総選挙になると、選挙で極右政党が躍進するのではないかと懸念されている。極右政党が躍進すると、イタリアもイギリスに続いてEUから離れる動きが高まることになる。
中国発の世界同時株安で始まった今年だが、最後まで波乱含みの年となりそうだ。