イギリスだけではなくヨーロッパ全体の将来を決める重要な住民投票である、スコットランドの独立投票が、18日に実施された。その後日本時間の19日朝から開票が始まり、午後には大勢が決定した。
朝に開票が始まった時点から反対派が優勢だったが、そのまま反対派が勝利をほぼ確実にして開票はほぼ終了した。開票時から反対55%、賛成45%程度のペースで推移していたが、最後まで反対と賛成がほぼ55:45の割合だった。圧倒的ではないとは言え、反対が賛成を上回っているのは確実と言える数だ。
驚くべきは、ここ数日のポンドの急伸ぶりだ。4日前にはポンド/円は1ポンド=173円付近にあったのだが、今日結果が出た午後には180円を超えてしまった。たった4日で7円という急上昇である。
確かに、独立賛成となればイギリス経済の将来が極めて不透明になるので、ポンドが下落したとしてもおかしくなかった。また逆に独立反対派が勝利したなら、安心感からポンドが買われてもおかしくはない。
がしかし、独立反対でスコットランドがイギリスに残留が決まったというのは、言い換えれば「現状維持」だ。これまでと何も変わらないことが決定したのだが、それでもポンドが急伸している。見方によっては、これは少々奇妙なことにも見える。これまでと同じイギリスが存続していくだけの結果なら、むしろ為替レートは動かなくても、何も不思議はない。ポンド高要因だけではなく円安要因もあるとはいえ、今週のポンド高騰にはやや違和感が残る。