米FRBが今月の29・30日にFOMCを開催する。そこではQE3の最後の150億ドルが廃止となり、2012年秋以来ずっと続けられてきたQE3が完全終了されると見られている。しかしマーケットを取り巻く状況は、非常に厳しい。
今月に入ってから、世界の株価が非常に急激に下落しているのは、多くの投資家がすでにご存じの通りだ。これはFRB関係者にとっても寝耳に水だっただろう。前回FOMCがあった9月中旬までは、株価は順調に推移していた。
もともとQE3の縮小は去年暮れに、株価が順調に上昇し景気も回復しつつあったからこそ、開始されたものだ。FRBはQE3の出口戦略として、これまで7回のFOMCを通して、毎回月100億ドルずつ資産購入額を減らしてきた。FRBとしては今月末のFOMCでQE3を完全終了する予定だったが、10月になってずっと世界同時株安が続いており、歯止めがかかる気配がない。
これは、ひょっとしたら今月末のFOMCで、「QE3の終了なし」というサプライズもあるかもしれない。現在の世界同時株安と金融市場の混乱を止めるためには、それくらいしか手段が残されていない。
2007年夏にサブプライム問題が表面化して世界同時株安になった時、FRBは緊急利下げで対応した。しかし現在はすでにFF金利がゼロ水準にあり、緊急利下げという選択肢もない。FRBが採れる政策は本当に限られている。世界同時株安が続く中、今月末のFOMCには世界が注目している。