【寄稿者:桐山一人】
我が国(日本)は、かつての勢いを失い、今では「世界第2位の経済大国」ではなくなった。2010年(4年前)に、衰退する日本が、名目国内総生産(GDP)において、お隣の大国である中国に追い抜かれたことは周知の事実である。
2010年度の日本のGDPは、ドル換算で5兆4742億ドルとなり、中国の5兆8786億ドルを下回ったのである。(2011年2月14日の内閣府発表)かくして、日本は1968年から長きに渡り占めてきた「世界第2位の経済大国」の座を中国に明け渡した。
日本の抱える問題
経済が衰退してゆく事由には様々な原因があるが、何よりも大きな主原因として挙げるならば、日本の歪な人口構成である。2007年に日本人の平均年齢は50歳を突破した。50歳という年齢は国連の統計(2011年度)によるところのナイジェリアやソマリアの平均寿命である。日本では江戸時代の人々の平均寿命である。
もちろん長寿国として世界一であることは誇らしいことであり、元気なお年寄りが多いことも素晴らしいことである。これから高齢社会の在り方の見本として、他国にお手本を示す役割も、外国からは大いに期待されていることであろう。
問題は少子化の方である。子供の出生率がどんどん下がっていく。若い人口が急激に減っていく。国を繁栄させるエネルギー(若い人たちの欲望や情熱)が年々、薄れていく。国民の平均年齢が50歳を超えた国で、変革や革新の声が意気揚々に上がり、国民の改革に対する意欲が持続できるのだろうか。このままの状態で推移していくと、10年~12年後には、日本国民の平均年齢は60歳を上回っているかも知れない。還暦の人間ばかりが集まって、抜本的な改革もないだろう。
しかし、仮にそう成ったとしても悲観することはない。今からでも遅くはない。日本の外に目を向けて、世界で勝負すればよい。
国内(日本)だけを見ていると、これから先はどう見積もっても2~3%の経済成長が関の山で、東京オリンピックが開催される2020年前後に瞬間的にそれ以上の伸びが期待できたとしても4~5%である。広く世界を見渡せば、持続的に年間7~10%伸びている国が数多く在るということを忘れてはならない。
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