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Daily Commentary - 06月25日2013年

発行済 2013-06-25 17:14
更新済 2019-12-18 20:45
概観

量的緩和に関する議論が続いているが、現在は、ハト派に傾いている。ダラス連銀のリチャード・フィッシャー総裁は、超タカ派(トムソン/ロイター/Hawkometerにおいて5段階中の5)と見られているが、経済データが許せば刺激策の「針を戻す」というバーナンキ氏のコメントを繰り返すにとどまり、さらにタカ派的な発言を行うことは控えた。一方、彼は「出口はまだ先にある」とし、経済が完全な雇用を達成するためには、「財政政策立案者から、より多くのインセンティブ」を引き出すことが必要であると強調した。投票権のないFOMCメンバーであるミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁(ハト派/タカ派格付け:4)は、それは「FOMCがタカ派に転じた」という誤った認識であるとして、金融政策は、債券買い入れが終了した後も「かなりの期間」、緩和的な状況が続くであろうとの見方を強調した。米国取引時間中に2016年の予想FFは、一度に9bp上昇したが、これらの発言の後はこの日は変わらずに推移して閉じた。これらのタカ派的なFOMCメンバーでさえ、FRBによる量的緩和からの「後退」が即座に行われるとの予想を鎮めようとしたため、USDがある程度弱含んだのも無理はない。

しかし、USDは、いくつかの通貨に対して上昇することができた。顕著だったのは、SEK、NOK、NZD、CADである。これらの通貨は、金曜日にも大きく下げており、モメンタム・トレーダーが、この時点でトレンドを見破っていることを示唆している。スマートマネーが、これらの通貨が脆弱であると認識すれば、これらの通貨はさらに弱含むと考えられる。中国の成長に関する懸念を考えれば、コモディティー通貨がそう見えるのは当然であろう。

ユーロ圏で、本日発表されるのは、二番手のデータのみで、フランスの企業信頼感とイタリアの小売売上高である。本日、ECBからは、ドラギ総裁やクール議員、リーカネン議員など、多くの発言者が予定されている。ドラギ総裁が話すときは、いつも、政策を支持するためにできることはまだ残されているということを強調する傾向があり、これがEURにとってはマイナスとなる可能性がある。英国では、BBA住宅ローンが、5月は若干増加したと予想される。辞任するイングランド銀行のキング総裁は、5月のインフレレポートに関して、議会証言を行う予定である。米国では、4月には前月比+3.5%を示していた耐久財受注指数が、5月には前月比3.0%上昇すると予想される一方、航空機を除く非軍事資本財は、4月の+1.2%から鈍化して0.5%の上昇となることが予想される。S&P/ケース・シラー住宅価格指数、フェデラル・ハウジング・ファイナンス・エイジェンシー住宅価格指数など、いくつかの住宅指標も発表される予定で、引き続き住宅価格の上昇を示すと予想されている。また、5月の新築住宅販売も発表される。最後に、コンファレンス・ボードの6月の消費者信頼感指数は、小幅な低下を示すと予想されている。結局のところ、数値は、米国経済が引き続き回復傾向にあることを示す可能性が高いものの、昨日見たとおり、市場は、データそのものよりも、中央銀行の反応の効果の方により注目している。

マーケット

EUR/USD

EUR/USDは、シカゴ連銀全米活動指数とダラス連銀製造業景況指数が改善したとの発表を受けて、20日の安値を試した。1.3115のレジスタンスを上回る回復は、フィッシャー氏の発言を受けて実現した。

• 1.3115のレジスタンスの突破後、わずか20pip上方にレジスタンスを見出し、1.3160のレジスタンスを試すことはできず、同ペアの弱気な見方に拍車を掛けた。1.3115を下回るサポートは、50日移動平均と200日移動平均が集中する1.3075のフィボナッチ水準に現れ、その後サポートは、1.3030と、1.3000強の水準に現れる。レジスタンスは1.3160と1.3200に現れる。

USD/JPY

• 中国の鈍化を取り巻くアジアにおける懸念により、アジア株がさらに下落し、日本を除くMSCIアジアが、昨日以来2.8%下落していることから、安全資産であるJPYへの回帰が生じている。

• レジスタンスは、11月~5月のラリーの23.6%リトレースメント水準であり、充分に試された97.90 – 98.15領域に現れ、これを突破すれば、98.80のレジスタンスを試す可能性は高いが、弱いトレンドライン・レジスタンスが、98.45に現れる可能性もある。次のレジスタンスは、99.15 – 99.35に見られるだろう。サポートは、97.05と96.40で見出されるだろう。

USD/NOK

USD/NOKは、引き続き上昇を続けており、週足チャートに見られるとおり、13年越しのトレンドライン・レジスタンスを突破し、過去5年間で築かれ、8.0000をわずかに下回る水準に長期価格目標を設定しているトライアングル・パターン・フォーメーションから脱した。現在、2012年7月の高値であり、同ペアの2年半超の間で最高の水準である6.1995をわずかに下回る水準で、売り圧力が生じているようだ。

• 6.1995を上回るレジスタンスは、6.3150に、その後6.5300に現れるだろう。サポートは、6.0000とその後は5.8600のトレンドラインに現れるだろう。



• 金は引き続き、2001年から2011年の10年越しのラリーの38.2%リトレースメント水準である1285ドルで保ち合いとなった。しかし、UBS、ゴールドマンサックス、BNPパリバなどの投資銀行に続き、モルガン・スタンレーが金属に対する予想を引き下げ、2013年の価格予想を1487ドルから1409ドルに引き下げたことから、悪材料に拍車が掛かった。

• サポートは1269ドル~1275ドル領域に見られ、最近の安値を下回る動きは、1228ドルの弱いサポートと1160ドルのフィボナッチ・サポートの突破を引き起こす可能性がある。レジスタンスは、1285ドルと1302ドルに現れる。

原油

• 昨日、WTIは、本日のAPI原油備蓄の発表を前にして反発し、ドライビング・シーズンが順調に推移していることから、明日に予定されているDOE備蓄は、2百万バレルの減少を示すと予想される。レジスタンスは、4時間チャートが示すとおり、95.65ドル前後で充分に試された水準に見出される重複するフィボナッチ水準に現れた。

• 本日のサポートは、94.50ドルに現れ、次のサポートは94.05ドル、93.50ドル、92.65ドルに現れるだろう。95.65ドルを上回るレジスタンスは、96ドルに、その後96.95ドルに現れるだろう。

通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者

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