株価が下落した第4四半期の暴落の後、市場はテクノロジー株が2019年に上下どちらに動くかについて答えを出せていない。一部のアナリストたちは、直近の株安は一時的であり、米国経済が依然として強く、景気後退の兆しはないとの見方を示している。
しかし、それとは逆に、金利やコスト圧力が増していることから、割高なテクノロジー株の大安売りは終わったと分析するアナリストたちもいる。我々の見解はその中間に位置するものである。
いくつかの巨大なテクノロジー企業にとって、現在の株価の弱さは正しくないと我々は考えている。これは、市場の株価サイクルによる下落以上に根深い問題に直面しているソーシャルメディア企業にとって特に当てはまる。
しかし、いくつかの著名なテクノロジー企業にとって、マクロ環境が改善され、米中間の貿易戦争のリスクが後退すると、株価上昇が再開することは疑う余地がない。これらの株式の中でも、ネットフリックス(ナスダック: NFLX)はストリーミングビデオの最大手であり、リバウンドするのに適した株価にある企業の最上位にある。
6月に423.21ドルと最高値をつけて以来、ネットフリックス株は32%下落している。金曜日の終値で286.13ドルで取引された急落の後でさえ、2018年の年次でみれば42%上昇している。これはフェイスブック(NASDAQ: FB)、アップル(ナスダック: AAPL)、アマゾン(ナスダック:AMZN)、グーグル(NASDAQ:GOOGL)といったFAANG株の中で最高のパフォーマンスであった。
衰えないグローバル展開
ネットフリックスに対して楽観的な主な理由は何か。それは同社が拡大の初期段階にある様々な各国の市場において、世界的に視聴者を増加させることに成功したことだ。
ネットフリックスもコストによる圧迫と米国国内市場の飽和に直面しているが、ストリーミングビデオの世界的な成長余地は非常に大きいため、この分野の成長のピークに至るまでには時間がかかる。直近の四半期で、同社の新規加入者数はアナリスト予想を大幅に上回った。
第3四半期の加入者数は696万人だったが、世界全体で現在1億3710万の加入者を抱えている。 2018年には合計で2890万の追加をすると予測している。これは同社の21年間の歴史で最高の記録だ。
この素晴らしい成長の鍵となったのは、グローバルな拡大戦略、とりわけ、まだ成長の余地がある分野への戦略である。第3四半期において、増加した加入者の84%は、ブラジル、英国、カナダ、インドなどからであった。
ネットフリックスが視聴者を引き付ける理由に秘密はない。同社はオリジナル番組に何十億ドルも費やしている。「ハウスオブカード」、「ザ・クラウン」、「オザークへようこそ」、コメディアニメ「ボージャック・ホースマン」などの重要な人気作品や、「欲望は止まらない!」や「マニアック」といった新シリーズなど非常に人気のある映画や限定シリーズを展開している。
ネットフリックスは、新しいタイトルで市場を溢れさせることによって、すべての年齢層をターゲットとしてつかまえ、視聴者をくぎ付けにしている。同社は、第3四半期になんと676時間ものオリジナル番組をリリースした。しかも、制作の上限に達したという兆候はない。
Reed Hastings最高経営責任者(CEO)は、10月のアナリストとのインタビューで、「ストリーミングビデオにおけるエンターテイメントの成長は目覚ましいものがあり、長期的に焦点を当てていく」と述べた。この積極的な手法に関して、一部のアナリストは、金融市場がおかしくなり、不況が世界経済に打撃を与えた場合、同社が現金を使い果たす可能性があると懸念している。
このシナリオは、同社の急成長を止めるだろう。そうなれば市場の評価を大きく下げることになるだろう。
これらのリスクはすべての高成長株に共通している。そのため、ネットフリックスも例外ではない。それにもかかわらず、私たちの見解では、ストリーミングビデオ市場で強力な地位を築いている同社は、顧客が配信会社を簡単に変えるエンターテインメント業界において進行中の劇的な変化を利用できる有利な立場にあると考えている。
要約
加入者に対する低コストー9.99ドルから10.99ドルの標準月額プラン、優れたテクノロジー、豊富なコンテンツの提供など、このような強みを持っている競合他社は存在しないといえる。もしテクノロジー企業で割安な優良な株を探しており、ポートフォリオに組み込みたいと考えているのなら、ネットフリックスは検討する価値がある。