主要企業の多くはすでに決算発表を行い、マーケットは調整局面に面している。投資家は今後数週間で劇的な回復を見せないかを期待している。
また、第3四半期の決算が逆風になっているが、米中間の関係回復の兆しによって、マーケットに良い影響を与えることが期待されている。トランプ米大統領は木曜日のツイッターで中国の習近平主席との電話会議で貿易について「長時間に渡り、良い協議ができた」とツイートしている。一部の報道によると、トランプ米大統領は重要閣僚に対して、貿易合意の草案作成を要請したという。
米中間の通商問題の進展の他に、これから発表される予想を上回る決算発表や上方修正されたガイダンスは、株式市場を加速させる可能性がある。以下は、今週に予定されている注目の決算である。
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ディズニー
ウォルト・ディズニー株は、現在115.18ドルで取引されており、最高値の119.69ドルから約4%低い。
ウォルト・ディズニー(NYSE:DIS)株は、11月8日(木)市場終了後に発表される第4四半期決算によって上昇が期待される。
アナリストによる予想売上は、対前年比で7.4%高で137億2000万ドルと予想している。これは投資家に興味をそそるような業績ではないかもしれないが、ウォルト・ディズニーにとって2年以上の期間で2番目の売上になる。アナリストは、コンセンサス予想の純利益の24%増とEPS1.33ドルを上回ることを期待している。
ディズニーの最大の収益源は、テレビや、ESPNのスポーツを含めたメディアとネットワークだ。これらはNetflix (NASDAQ:NFLX)などのインターネットメディアによって視聴者数と広告収入が奪われている。
CEOのBob Iger氏はこれらの苦境に対し、新しいオンラインサービスの計画や、524億ドルをかけた21st Century Fox (NASDAQ:FOX)の買収などの戦略を打ち出している。
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CVS ヘルス
CVSヘルス(NYSE:CVS)は11月6日(火)の市場前に第3四半期の決算発表を控えている。CVSは先月に、エトナ(Aetna)(NYSE:AET)から68億円での合併を発表した。エトナは医療保険の中で最も大きな会社の一つである。
決算電話会議(カンファレンスコール)でCVSの経営陣が発言する時に、投資家はいつ合併が完了するかや、合併後の会社の計画に注目している。
この合併によってCVSは、保険事業、薬の処方、ドラックストアの実店舗を抱える、ヘルスケア領域の大企業となる。
消費者の習慣や、ヘルスケア領域でのライバルが変わりゆく中で、CVSのもとにエトナの事業が融合することによって、業界内で優位なポジションに立つだろう。
第3四半期では、アナリストは472億ドルの売上であり、EPSは1.71ドルだと予想している。これは対前年比12%の成長率である。
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クアルコム
スマートフォンの需要や、半導体セクター全体が弱回る中で、携帯電話向け半導体大手であるクアルコム(NASDAQ:QCOM) の2018年第4四半期の決算が11月7日(水)の市場終了後に予定され、投資家は大いに注目している。
アナリストは、一年前と比べてクアルコムのEPSは11%下落し0.82ドルとなると予想している。売上は7%下落し55億3000万の予想だ。
クアルコムは、ライセンスや印税についてApple(アップル) (NASDAQ:AAPL)や、中国のHuawei Technologies (SZ:002502)と、法的争いを続けている。
去年、アップルはアジアの契約先に対してクアルコムへの印税支払いを停止し、クアルコムは10億ドルの収益が失われた。