7日の為替相場は、8日(木)のECB政策金利発表と8日(木)~9日(金)EUサミットを控えて、ユーロは、狭いレンジ内での取引となりました。
また、7日、米格付け会社のS&PがEUの長期信用格付けの見通しを、AAAを90日以内に格下げの可能性がある「ネガティブ」とすることを発表し、ユーロ圏にある11の銀行グループの信用格付けを引き下げる可能性があることを発表しました。
このことを受けて株価が下落しました。
しかしながら、その直後に、G20諸国がIMFを通して欧州への貸付を検討していることを示唆する報道があり、IMFはこの報道を否定したものの、株価が上昇しました。
本日のECB政策金利発表では、0.25%の引き下げがほぼ織り込み済みとなっていますが、4日配信のメルマガでも書かせていただきましたが、0.5%の利下げを行う可能性もあります。
また、ドラギ新総裁になってから2回連続の利下げは、同総裁がユーロ圏債務危機が悪化する中でもインフレ懸念から利上げを行ったトリシェ総裁のスタンスとの違いを明確にすることになります。
一方、マーケットでは、ECBは2年物の資金供給オペが導入観測が強まっています。
ドラギ総裁の記者会見では、ユーロ圏の財政統合が確立されれば、ECBの緊急時の貸出機能を拡大する可能性を示唆することが考えられ注目されます。
EURUSDは一時1.3452まで上昇し、前日比0.12%高の1.3414で引け、EURJPYは前日比0.02%高の104.18円で、USDJPYは一時77.63円まで下落し、前日比0.10%安の77.65円で引けました。
ドル・インデックスは、前日比0.02%安の78.49で引けました。
一方で、過去のEUサミット同様にマーケットを失望させる可能性があり、その場合は、特にイタリアとスペインの債券利回りが大幅に上昇し、ユーロが下落する恐れがあることへの警戒感があります。
ところで、先週、主要6中央銀行が欧州の銀行がドルを借入する際に金利を引き下げることで合意しましたが、水曜日にECBが34行に対して行った84日物のドル資金供給オペは507億ドルに達し、ロイター調査の予想中央値である100億ドルを大幅に上回りました。
ただ、投資家が金融機関への融資資金のまき戻は500億ドル以上に上っていることが予想され、ドルの借り入れコストが上昇していることは、欧州の銀行がECBから更なる借り入れが必要になるとの見方を強めてます。
そのため、ドル借り入れコストが急落しない限りは、ECBがドルを貸し付けるためにより広い範囲の担保を受け入れる必要性が高まる可能性があります。
3カ月物EURUSDのクロスカレンシー・ベーシス・スワップ金利は、ECBの資金供給オペの後、-116bpから-110bp付近まで縮小しました。
米株式相場は、欧州高官の悲観的と楽観的なコメントを受けてまちまちの展開になりました。
NYダウは前日比0.4%高の12196.37、S&P500は0.2%高の1261.01、ナスダック総合株価指数は0.35%安の2649.21で引けました。
米国債券相場は、S&PがEU全体のクレジット・ウォッチをネガティブにする可能性を示唆したことを背景に上昇しました。
米10年債利回りは前日比0.06%安の2.02%で引けました。