2016年がまもなく終わり、次は2017年となる。思えば今年は中国発の世界同時株安という波乱含みで始まった年だった。そして株安が落ち着いた後も相場はパッとせず、6月にはイギリスのEU離脱決定。秋になっても気持ち良い上昇は見られなかった。
ところが11月9日に米大統領選でトランプ候補が当選すると、それ以降は日米など各国で株価が暴騰した。中にはブラジルなどあまり上がっていない国もあるが、日米欧といった主要国の株は軒並み上昇している。
これで今年は意外といい終わり方ができるが、となると問題は来年だ。来年はどのようなリスク要因があるのだろうか?大きな不安定要因となるのが、アメリカのトランプ新大統領だ。
現在「トランプ相場」と呼ばれて世界的な株高が続いているので、これは矛盾した見方に見えるかもしれない。だが現在急騰が続いているからこそ、その巻き戻しが始まれば暴落になる。
トランプ新大統領は政策的に不透明な要因が多い。当選前から「不法移民を退去させる」と言っていたものの、この政策はすでにニューヨークやロサンゼルスなどの大都市や、大手IT企業から反発を受けている。公約通りに実行できるかわからない。
不法移民問題にしても他の政策にしても、トランプ新大統領には過激なものが多い。それがアメリカ国内外を荒れさせる要因になるかもしれない。それは金融市場にとっても、来年の大きなリスクとなるだろう。