2017年に入ってから、株式市場と景気がかなり堅調に推移している。特に日米など主要国にその傾向が強い。
株式市場を見ると、日本の市場では日経225平均が2万円を突破。以前に2万円台をつけていたのは2015年夏前で、夏を過ぎてから中国発の世界同時株安によって暴落。その後2年近く低迷した後の2万円復帰だ。
アメリカでもダウ工業平均やS&P500指数など主要株式指数が、今年なってから幾度となく史上最高値を更新してきた。
そして株式市場だけではなく、景気そのものも拡大が続いている。日本ではアベノミクスによる景気拡大が2012年12月から始まり、すでに54ヶ月にもなって戦後3番目の長い景気拡大と言われるようになった。最長は小泉時代の73ヶ月、2番目はいざなぎ景気の57ヶ月だった。もうすぐいざなぎ景気を抜いて2番目になる。
もし今回の景気拡大が戦後2番目の長さになるとすれば、戦後1、2番目の長い景気拡大はどちらも21世紀ということになる。しかしこれは本当に日本経済のためになっているのだろうか?
単純に考えて、景気拡大が長いのは景気の上がり方が緩やかなためとも考えられる。急に上昇していくと頂点に到達するのも早いが、緩やかな上昇なら時間がかかる。小泉時代の景気拡大と現在の拡大、どちらも緩やかにしか拡大していないため、期間だけは長いという見方もできる。