7日の午後9時半に、米9月雇用統計が発表。予想の前月比17万2000人増に対し、発表は15万6000人増だった。ただし前月の数字は15万1000人から16万7000人に上方修正された。
次回のアメリカの政策金利発表は11月2日になる。これは10月の雇用統計が発表されるより前なので、今回が政策金利発表前の最後の雇用統計となった。そしてその数字が、予想より悪かったのだ。
これで次回のFOMCにおける利上げは、遠のいたと言ってもいい。確かに利上げ観測が台頭するような材料はある。例えば5日水曜に発表された9月ISM非製造業景況指数は、57.1で予想よりかなり良かった。またFRB地区連銀の総裁も、利上げに積極的な発言をしている。
しかし今年のFRBは、これまで利上げに対して非常に慎重になってきた。それはようやく回復してきたアメリカの経済を腰折れさせないためであり、しばらくの間慎重な姿勢は続けられそうだ。利上げは株式市場を下落させる原因となり、株が下がると景気に悪影響が出る。
実際に9月のFOMC前にもイエレン議長や地区連銀総裁が利上げに積極的な発言を行ってはいたが、結局利上げは見送られた。
今年も残りのFOMCは2回だけとなったが、残り2回も慎重に判断をしてくる可能性が高い。その場合、9月雇用統計のさえない数字から判断して、利上げは遠のいたと考えられる。