アメリカは昨年12月に利上げをして以来、これまでFOMC3回連続で政策金利を据え置いてきた。そして最近になって発表された米経済指標に悪い数字が続いたので、次回・6月のFOMCでも利上げが行われる可能性は低くなってきた。
最近発表された米経済指標には以下のようなものがある。まず4月28日には1~3月期GDP速報値が発表され、予想の前期比年率0.7%増に対し、発表は0.5%増だった。そして今週の4日水曜には4月ADP雇用統計が発表。予想は19万5000人増だったが、結果はわずか15万6000人増だった。
これらの数字が悪かっただけでもアメリカ経済にとってかなりの悪材料なのだが、6日金曜に発表された4月雇用統計は、予想20万人増、結果16万人増とADP雇用統計と同じく予想をかなり下回った。
GDPと雇用統計というアメリカ経済にとって極めて重要な2つの経済指標が、予想よりかなり悪かった。これで6月15日のFOMC発表で追加利上げを行うことが難しくなってきた。
もちろん6月初めには5月雇用統計が発表されるので、その数字が良ければまだ分からない。しかし今週発表された4月雇用統計が悪かったことは、追加利上げにとって相当なマイナス材料になった。
去年12月の時点では2016年の追加利上げは「4回」と予想する声が多かった。それが1月以降の株安のために、春頃には「2回」の予想が増えた。だが6月までずっと利上げをできないとなれば、「2回」すら実現は難しいだろう。