8日にイギリスで総選挙が行なわれ、9日には結果が判明した。今回選挙が行なわれた下院は650議席だが、与党の保守党は改選前は過半数の330議席確保していた。
メイ首相は解散総選挙をしたら議席を増やせると見込んで解散をしたのだが、その見込みは外れ、結果は過半数割れの318議席という敗北だった。一方野党の労働党は議席を増やした。
第1党の座だけは維持したものの、選挙前は維持していた過半数を失ったことで保守党の敗北とも言える結果となった。そしてこれからは、どの党も過半数を維持できない議会となる。
これはイギリスの政界にとっては珍しい事態で、政局が不安定になることで知られている。そして去年保守党政権でEU離脱を決めたが、EU離脱手続きもスムーズに行かないことが懸念される。
英議会が不安定になったことは、今後のポンドにとって大きなリスクになった。今後しばらくの間、ポンドは下がりやすい地合になったと言える。もちろん絶対下がるとは誰も言いきれないが、イギリスは非常に難しい状況に追い込まれたのは確かだ。
EUは離脱するイギリスに対して、かなりの金額の支払いを要求しており、その交渉もこれから進めなくてはならない。しかし与党が過半数を失ったため、その交渉も厳しくなる。去年離脱を決めたイギリスは、予想以上に困難な状況になった。