日本銀行総裁 白川 方明
1.はじめに
日本銀行の白川です。本日は京都大学公共政策大学院および法学研究科・
法学部の共催講演会の場で、お話をさせて頂く機会を頂き、大変嬉しく、ま
た光栄に思っています。このような機会を与えて下さったことに心よりお礼
を申し上げます。本日、ここにご出席の方は、将来、職業として公共政策に
携わることを志している学生、あるいは、自らの職業選択とは関係なく、公
共政策、ないし、公共政策の一分野である金融政策、さらには金融政策を担
う日本銀行という公的組織に関心を持っておられる方が多いのではないかと
想像します。
私自身は、1972 年に大学の経済学部を卒業して以来、日本銀行という、公
共政策の一角を担う世界にほぼ一貫して身を置いてきました。日本銀行に34
年間勤務した後、縁あって京都大学公共政策大学院で2年弱の間、教鞭をと
る機会に恵まれました。2008 年春からは、再び日本銀行で働くことになり、
様々な政策を決定すると同時に、政策の遂行や日本銀行という組織全体のマ
ネジメントに責任を有する立場にあります。本日は限られた時間ではありま
すが、「公共政策を遂行するという仕事」というタイトルでお話をさせて頂き
ます。勿論、公共政策といっても幅広く、全てを取り上げることはできませ
ん。私が本日取り上げるのは、日本銀行の守備範囲である金融政策や金融シ
ステムに関する政策、あるいはそれと密接な関係のあるマクロ経済政策に限
られます。金融政策やマクロ経済政策の運営を巡っては、毎日、活発な議論
が展開されています。そうした議論はそれぞれ興味深いものですが、本日の
話の目的は、個々の政策論をお伝えすることではなく、金融政策やマクロ経
済政策を例に取りながら、公共政策の果たす役割について語ることです。
詳しくはこちらをご覧ください。:http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2011/data/ko110715a.pdf
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- 0001年01月01日
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