今日の欧米外為市場では、ドル・円は下値を固める展開を想定したい。
ドイツ銀行の経営問題への懸念が弱まり、欧州金融不安はやや後退しており、リスク回避ムードの後退により円売りに振れやすい見通し。
前日休場だったドイツ株式市場をはじめ欧州株の動向が引き続き注目される。
ただ、今週後半にはイベント・リスクが残されており、ドル買い継続には慎重な姿勢もみられる。
4日のアジア市場で、ドル・円は、米国の9月ISM製造業景況指数の上振れ好感や、日経平均株価の堅調地合いを背景に9月21日以来、約2週間ぶりに102円台を回復。
アジア市場で102円台を維持できれば、欧米市場では下値を固める展開となりそうだ。
目先は75日移動平均線(102円45銭付近)や9月21日高値(102円79銭)が上値ターゲットとして意識される。
また、ドイツ銀行の経営問題が欧州金融システム不安につながりかねないとの不安は根強いが、米格付会社ムーディーズは、ドイツ銀行について米司法省の制裁金への対応が可能と指摘。
市場の警戒感が後退して、リスク選好的な円売りも強まりそうだ。
ただ、今週後半にG20財務相・中銀総裁会議(6日)や米国の9月雇用統計(7日)の発表を控え、市場ではドル・円が「上昇基調に転じたわけではない」との指摘もあり、積極的なドル買いは手控えられ可能性がある。
【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・9月建設業PMI(予想:49.0、8月:49.2)
・18:00 ユーロ圏・8月生産者物価指数(前年比予想:-2.1%、7月:-2.8%)
・21:05 ラッカー米リッチモンド連銀総裁講演(経済見通し)
・08:00 エバンズ米シカゴ連銀総裁講演(経済と金融政策)