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欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米FOMCにらみドル売りは限定的に

発行済 2018-03-16 17:25
更新済 2018-03-16 17:33
欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米FOMCにらみドル売りは限定的に
16日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。
米トランプ政権内の混乱でドル売り方向に振れやすい見通し。
ただ、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが確実視されるなか、ドル売りは進めづらいムードが広がりそうだ。


トランプ政権では、6日に国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任を表明した後、13日にティラーソン国務長官を解任。
さらに15日にはマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を更迭する方針を決定したようだ。
政権内の重要ポストの相次ぐ交代で、政策運営の不透明感から、ドル売り基調に振れている。


足元では米朝首脳会談が予定されるなか、外交・安全保障の担当者の刷新はとりわけ不安を増幅させており、アジア市場で東アジアの安定化を見込んだ円売りは後退。
本日はリスク回避的な円買いが先行した。
また、英国におけるロシアの元スパイ暗殺未遂事件をきっかけとした両国関係の悪化も、円買いを支援しているようだ。


本日の海外市場でも、トランプ政権内での混乱を嫌気したドル売りに振れやすい展開となりそうだ。
ただし、昨年1月の政権発足以来、不透明な人事が続き「市場には“慣れ”のようなものもある」(市場筋)ため、ドルの下落ペースは緩やかになるだろう。


加えて、20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、昨年12月以来3カ月ぶりの利上げが確実視されていることも、ドル売りを弱める要因。
焦点の利上げペースが市場コンセンサスである3回以上の見通しとなれば、ドルは大きく買い戻される可能性がある。
FOMCまでドル売りは仕掛けづらく、105円台は引き続き押し目買いが見込まれる。


【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・2月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.2%、速報値:+1.3%)
・21:30 米・2月住宅着工件数(予想:129.0万戸、1月:132.6万戸)
・21:30 米・2月住宅建設許可件数(予想:132.0万戸、1月:137.7万戸)
・22:15 米・2月鉱工業生産(前月比予想:+0.4%、1月-0.1%)
・22:15 米・2月設備稼働率(予想:77.7%、1月:77.5%)
・23:00 米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:99.2、2月:99.7)
・23:00 米・1月JOLT求人件数(予想:591.7万件、12月:581.1万件)


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