ジャマル・カショギ氏の殺害があったにもかかわらず、トランプ米大統領は米国はサウジアラビアと「確固たるパートナー」であると発言したことを受け、原油価格が年初来最安値を記録した火曜日から一転し、水曜日のアジア市場では反発となった。
火曜日、トランプ米大統領はジャマル氏の殺害に関して、サウジアラビアに対する責任追及を行わない姿勢を鮮明にした。
「いかなる場合においても、米国とサウジアラビアの関係性は…米国に続き、サウジアラビアは世界最大の産油国である。彼らは米国と緊密に連携し、原油価格を最適な水準(低価格)に保つという我々の要求に対して非常に真摯に向き合ってくれている」とトランプ氏は述べている。
報道によると、トランプ氏は同日にホワイトハウス外にて「サウジとの関係が崩れた場合、サウジの原油価格は跳ね上がるだろう」と述べている。
OPEC加盟国と非加盟産油国をあわせた24カ国は、12月6日にオーストリアのウィーンにて会合を行い、向こう6ヶ月間における生産量の取り決めを行う。
「我々は原油市場で未だかつてない不確実な時代に突入している」と、ファティ・ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長は火曜日の記者会見で述べた。
一方、米国の原油在庫統計の驚異的な落ち込みによって水曜日の原油価格は下支えされた。しかし過剰供給と先行き不透明感から市場では警戒感が残っていた。
米国石油協会(API)は火曜日、11月16日時点の米国の原油在庫は150万バレル減少の4億3920万バレルと発表した。
日本時間の水曜日14時42分時点における、ニューヨークマーカンタイル取引所の1月WTI原油先物価格は1.24%上昇の1バレル54.09ドルとなった。一方、ロンドンインターコンチネンタル取引所の1月ブレント原油先物も同様に1.25%上昇の63.23ドルで取引された。
昨日火曜日の取引では、ブレント原油は7.6%下落の61.71ドルで11ヶ月間での最安値をマークし、WTI原油は7%安の1バレル52.77ドルと、2017年10月ぶりとなる安値であった。