■会社概要
4. 強み
(1) 成長戦略を実現するための組織力
アトラエ (T:6194)は、サービスライフサイクルの短いインターネットの世界においては、時代の変化に適応したサービスを次々と生み出し続けられるような組織文化やノウハウの蓄積こそが、企業としての永続性を実現できるカギになると考えており、組織力の強さにどの会社よりもこだわっている。
事業の運営単位を常にフラットでミニマムに保つことで、ベンチャーらしいスピード感、変化適応力を維持し、メンバーの経営意識、責任感を高めることで、社会に提供する価値の最大化に挑戦し続けている。
具体的には、肩書という概念をなくしチーム(プロジェクト)単位で働く完全フラットな組織、勤務時間や場所の管理はメンバー一人ひとりに任されるなど、ルールをミニマム化し、一人ひとりが参画意識を高め、高い責任と裁量を持って自発的に働ける環境を創り出している。
これらの取り組みにより、若くて有能な人材が高いエンゲージメントを保ちながら、長期にわたり働き続けている。
エンゲージメントの高い組織だからこそ、中長期的な戦略立案・実行が可能であり、新規事業の開発を行いながらも7年間右肩上がりの生産性を持続するという離れ業を実現しており、長期的な競争力を有する稀有な組織となっている。
なお、同社では、同社独自の組織論を具体化するための1つの施策として、2016年11月17日に在籍する全社員に対して、日本の上場企業として初めて特定譲渡制限付株式を交付することを決定、同年12月8日に交付した。
社員一人ひとりがより高い経営への参画意識を持ち、全社員が中期的な視点に立った企業価値向上という本質的な価値を追求することが狙いである。
なお、同社では2017年11月にも2回目の特定譲渡制限付株式の発行を行っており、エンゲージメントの向上につなげている。
(2) ビッグデータの蓄積、解析及び活用
同社では求職者並びに求人企業に関するプロフィールデータ、アクションデータ及び選考データ(登録、応募、書類選考通過、内定等)などを10年以上に渡り独自に蓄積してきた。
従来のキャリアアドバイザーによる属人的かつ労働集約的なマッチングをテクノロジーやビッグデータの活用で、より効率的かつ効果的に、人を介さずに高い書類選考通過率(マッチング精度)を実現している。
このことが人材紹介市場における同社の優位性の確立につながっている。
なお、上記の内容は「Green」におけるものであるが、組織改善ツール「wevox」ではエンゲージメントサーベイのデータ、ビジネスマッチングアプリ「yenta」では利用者間のマッチングに関する情報など、ほかのサービスでも同様にビッグデータの蓄積、解析及び活用を行っており、いずれもこれらも同社の独自性・優位性につながっている。
5. 競合
広義の意味での競合企業としては、(株)リクルートキャリア、パーソルキャリア(株)などを始めとする人材紹介会社やそれらによって運営されている求人メディアなどを挙げられる。
既存の企業が多く、参入障壁が低いため新規参入企業も多く、激しい競争が繰り広げられているが、ビッグデータ解析によるマッチング精度の向上と、圧倒的な価格優位性が、同社の競争優位性を高める差別化要因として働いている。
6. リスク
同社では、事業上のリスクとして、求人企業の採用ニーズの悪化を最大のリスクとして考えている。
同社はリーマン・ショックを乗り越えた経験を有しており、それ以降コストの変動費化を図るとともに、景気に左右されにくい経営管理体制を整備・構築している。
しかし、主力サービスの「Green」は、IT/Web業界を中心とした人材採用支援を行っており、求人企業の雇用水準が低迷した場合には、同社業績に影響を及ぼす可能性も考えられる。
また、売上構成がほぼ「Green」への一極集中となっており、「Green」を上回る競合が発生し「Green」のシェアが低下した場合、全社の売上げが落ち込む可能性がある。
しかし、既に2018年9月期より「wevox」のマネタイズが始まっており、「yenta」のマネタイズも近い将来に開始が見込まれており、売上構成上のリスクは低減が図られる見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)
4. 強み
(1) 成長戦略を実現するための組織力
アトラエ (T:6194)は、サービスライフサイクルの短いインターネットの世界においては、時代の変化に適応したサービスを次々と生み出し続けられるような組織文化やノウハウの蓄積こそが、企業としての永続性を実現できるカギになると考えており、組織力の強さにどの会社よりもこだわっている。
事業の運営単位を常にフラットでミニマムに保つことで、ベンチャーらしいスピード感、変化適応力を維持し、メンバーの経営意識、責任感を高めることで、社会に提供する価値の最大化に挑戦し続けている。
具体的には、肩書という概念をなくしチーム(プロジェクト)単位で働く完全フラットな組織、勤務時間や場所の管理はメンバー一人ひとりに任されるなど、ルールをミニマム化し、一人ひとりが参画意識を高め、高い責任と裁量を持って自発的に働ける環境を創り出している。
これらの取り組みにより、若くて有能な人材が高いエンゲージメントを保ちながら、長期にわたり働き続けている。
エンゲージメントの高い組織だからこそ、中長期的な戦略立案・実行が可能であり、新規事業の開発を行いながらも7年間右肩上がりの生産性を持続するという離れ業を実現しており、長期的な競争力を有する稀有な組織となっている。
なお、同社では、同社独自の組織論を具体化するための1つの施策として、2016年11月17日に在籍する全社員に対して、日本の上場企業として初めて特定譲渡制限付株式を交付することを決定、同年12月8日に交付した。
社員一人ひとりがより高い経営への参画意識を持ち、全社員が中期的な視点に立った企業価値向上という本質的な価値を追求することが狙いである。
なお、同社では2017年11月にも2回目の特定譲渡制限付株式の発行を行っており、エンゲージメントの向上につなげている。
(2) ビッグデータの蓄積、解析及び活用
同社では求職者並びに求人企業に関するプロフィールデータ、アクションデータ及び選考データ(登録、応募、書類選考通過、内定等)などを10年以上に渡り独自に蓄積してきた。
従来のキャリアアドバイザーによる属人的かつ労働集約的なマッチングをテクノロジーやビッグデータの活用で、より効率的かつ効果的に、人を介さずに高い書類選考通過率(マッチング精度)を実現している。
このことが人材紹介市場における同社の優位性の確立につながっている。
なお、上記の内容は「Green」におけるものであるが、組織改善ツール「wevox」ではエンゲージメントサーベイのデータ、ビジネスマッチングアプリ「yenta」では利用者間のマッチングに関する情報など、ほかのサービスでも同様にビッグデータの蓄積、解析及び活用を行っており、いずれもこれらも同社の独自性・優位性につながっている。
5. 競合
広義の意味での競合企業としては、(株)リクルートキャリア、パーソルキャリア(株)などを始めとする人材紹介会社やそれらによって運営されている求人メディアなどを挙げられる。
既存の企業が多く、参入障壁が低いため新規参入企業も多く、激しい競争が繰り広げられているが、ビッグデータ解析によるマッチング精度の向上と、圧倒的な価格優位性が、同社の競争優位性を高める差別化要因として働いている。
6. リスク
同社では、事業上のリスクとして、求人企業の採用ニーズの悪化を最大のリスクとして考えている。
同社はリーマン・ショックを乗り越えた経験を有しており、それ以降コストの変動費化を図るとともに、景気に左右されにくい経営管理体制を整備・構築している。
しかし、主力サービスの「Green」は、IT/Web業界を中心とした人材採用支援を行っており、求人企業の雇用水準が低迷した場合には、同社業績に影響を及ぼす可能性も考えられる。
また、売上構成がほぼ「Green」への一極集中となっており、「Green」を上回る競合が発生し「Green」のシェアが低下した場合、全社の売上げが落ち込む可能性がある。
しかし、既に2018年9月期より「wevox」のマネタイズが始まっており、「yenta」のマネタイズも近い将来に開始が見込まれており、売上構成上のリスクは低減が図られる見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)