■今後の見通し
1. 2019年9月期の業績見通し
ジャパンベストレスキューシステム (T:2453)の2019年9月期の連結業績は、売上高が前期比8.8%増の12,800百万円、営業利益が同15.3%増の1,650百万円、経常利益が同10.0%増の1,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.6%増の1,260百万円と増収増益を見込み、売上高については前期までの特殊要因がなくなることもあって2期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。
費用面では広告宣伝費の増加を見込んでいる以外は引き続き抑制していく方針で、増収効果によって営業利益率も12.9%に上昇する。
(1) 事業セグメント別の見通し
事業セグメント別での業績計画は開示していないものの、会員事業を中心に全てのセグメントにおいて増収増益を見込んでいる。
駆けつけ事業は、集客施策を強化することで4期ぶりに作業件数の回復を目指す。
特にWebマーケティングに関しては、前期にWebサイトの刷新によるユーザーインターフェース改善を図ったのに続き、リスティング広告を再開する。
検索上位にヒットするようSEO対策も強化し、Webサイトへのアクセス件数を増やし、入電件数の増加につなげていく戦略だ。
同社では、基幹サイト以外にも複数のサテライトサイトを運営しているが、これらサイトについても改善を図っていく。
一方、タウンページについては2018年4月より、NTT (T:9432)の配布方針が固定回線契約者のみから全世帯配布に変わったことで、プラス効果に働く可能性もある(配布数は従来比約3倍の6千万部)。
会員事業では、「dリビング」の契約件数減少が続くものの、「安心入居サポート」や「あんしん修理サポート」で2ケタ成長を見込んでいる。
「安心入居サポート」については地方の中堅・中小代理店の開拓を進めていくほか、大手不動産会社からの受託を増やしていく。
「あんしん修理サポート」についてはヤマダ電機を通じた会員獲得が進むほか、住宅メーカー経由での会員獲得も期待できる。
住宅メーカー向けに関しては、住設機器の保証となるため家電製品と比較して1件当たりの保証料も大きく、また、住宅価格に当初から組み込まれるため100%会員となる。
保証期間が10年と長いため単年度の収益インパクトはまだ小さいものの、ストック型ビジネスのため、今後契約件数の積み上がりに伴って収益への貢献度も徐々に大きくなってくるものと予想される。
また、「学生生活110番」についても大学生協を通じた大学の開拓がほぼ上限に近付いたことから、独自ルートでの開拓を進めていく方針となっている。
全国に大学数は768大学あり、このうち大学生協に加盟しているのは215大学だが、残り500以上の大学や専門学校を開拓していくことで会員数を積み上げていく。
少額短期保険事業については、主力商品である「新すまいRoom保険」を中心に「安心入居サポート」とのクロスセルを進めながら契約件数を伸ばしていく。
リペア事業については前期から取り組んでいる非住宅向けの販売拡大により2ケタ増収、黒字転換を見込んでいる。
2018年9月期よりホテルや小売店舗など非住宅系の顧客開拓を進めており、その効果が顕在化する。
ホテル向けでは客室内の床の大理石や洗面台の陶器、金属類の補修ニーズがある。
従来、これら内装材は傷が付くと取り替えしていたが、補修が可能であればコスト的に低く抑えることが可能なため、潜在需要は大きいと見られる。
特に、木質系だけでなく石材や金属系のリペア技術も持つ事業者は少ないこともあり、付加価値の高い領域として今後、非住宅系の市場を開拓していく戦略となっている。
課題はこれら技術を持つ人材の育成となる。
現在は社員約10名と協力店の数名程度で対応しているが、今後の受注拡大を見越して、教育ツールを活用して約70店舗の協力店でも対応できる体制づくりを行っていく。
(2) 新たな取り組み
新たな取り組みとして2018年11月より、「安心入居サポート」会員向けのデジタル会員証アプリ「Living Link」にビデオチャット機能を追加した。
従来は、トラブルが発生した場合はコールセンターの担当オペレーターに依頼者が言葉のみで状況を伝えるしかなく、出動依頼を掛けなくても良いような案件、また出動しても現場で必要な部品がなく、後日改めて出動するといった案件が一定数あり、コスト増要因となっていた。
今回、ビデオチャット機能を活用することで、現場の画像を担当オペレーターに直接送り、オペレーターが手書きチャット機能によって具体的なアドバイスを行い解決に導くことが可能となるほか、三者通話により現場に向かうスタッフが事前に状況を把握することで、必要な部品等を用意して出動できるようになり、1回の出動で解決できるようになった。
顧客満足度の向上につながるだけでなく出動コストを抑制する効果が期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
1. 2019年9月期の業績見通し
ジャパンベストレスキューシステム (T:2453)の2019年9月期の連結業績は、売上高が前期比8.8%増の12,800百万円、営業利益が同15.3%増の1,650百万円、経常利益が同10.0%増の1,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.6%増の1,260百万円と増収増益を見込み、売上高については前期までの特殊要因がなくなることもあって2期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。
費用面では広告宣伝費の増加を見込んでいる以外は引き続き抑制していく方針で、増収効果によって営業利益率も12.9%に上昇する。
(1) 事業セグメント別の見通し
事業セグメント別での業績計画は開示していないものの、会員事業を中心に全てのセグメントにおいて増収増益を見込んでいる。
駆けつけ事業は、集客施策を強化することで4期ぶりに作業件数の回復を目指す。
特にWebマーケティングに関しては、前期にWebサイトの刷新によるユーザーインターフェース改善を図ったのに続き、リスティング広告を再開する。
検索上位にヒットするようSEO対策も強化し、Webサイトへのアクセス件数を増やし、入電件数の増加につなげていく戦略だ。
同社では、基幹サイト以外にも複数のサテライトサイトを運営しているが、これらサイトについても改善を図っていく。
一方、タウンページについては2018年4月より、NTT (T:9432)の配布方針が固定回線契約者のみから全世帯配布に変わったことで、プラス効果に働く可能性もある(配布数は従来比約3倍の6千万部)。
会員事業では、「dリビング」の契約件数減少が続くものの、「安心入居サポート」や「あんしん修理サポート」で2ケタ成長を見込んでいる。
「安心入居サポート」については地方の中堅・中小代理店の開拓を進めていくほか、大手不動産会社からの受託を増やしていく。
「あんしん修理サポート」についてはヤマダ電機を通じた会員獲得が進むほか、住宅メーカー経由での会員獲得も期待できる。
住宅メーカー向けに関しては、住設機器の保証となるため家電製品と比較して1件当たりの保証料も大きく、また、住宅価格に当初から組み込まれるため100%会員となる。
保証期間が10年と長いため単年度の収益インパクトはまだ小さいものの、ストック型ビジネスのため、今後契約件数の積み上がりに伴って収益への貢献度も徐々に大きくなってくるものと予想される。
また、「学生生活110番」についても大学生協を通じた大学の開拓がほぼ上限に近付いたことから、独自ルートでの開拓を進めていく方針となっている。
全国に大学数は768大学あり、このうち大学生協に加盟しているのは215大学だが、残り500以上の大学や専門学校を開拓していくことで会員数を積み上げていく。
少額短期保険事業については、主力商品である「新すまいRoom保険」を中心に「安心入居サポート」とのクロスセルを進めながら契約件数を伸ばしていく。
リペア事業については前期から取り組んでいる非住宅向けの販売拡大により2ケタ増収、黒字転換を見込んでいる。
2018年9月期よりホテルや小売店舗など非住宅系の顧客開拓を進めており、その効果が顕在化する。
ホテル向けでは客室内の床の大理石や洗面台の陶器、金属類の補修ニーズがある。
従来、これら内装材は傷が付くと取り替えしていたが、補修が可能であればコスト的に低く抑えることが可能なため、潜在需要は大きいと見られる。
特に、木質系だけでなく石材や金属系のリペア技術も持つ事業者は少ないこともあり、付加価値の高い領域として今後、非住宅系の市場を開拓していく戦略となっている。
課題はこれら技術を持つ人材の育成となる。
現在は社員約10名と協力店の数名程度で対応しているが、今後の受注拡大を見越して、教育ツールを活用して約70店舗の協力店でも対応できる体制づくりを行っていく。
(2) 新たな取り組み
新たな取り組みとして2018年11月より、「安心入居サポート」会員向けのデジタル会員証アプリ「Living Link」にビデオチャット機能を追加した。
従来は、トラブルが発生した場合はコールセンターの担当オペレーターに依頼者が言葉のみで状況を伝えるしかなく、出動依頼を掛けなくても良いような案件、また出動しても現場で必要な部品がなく、後日改めて出動するといった案件が一定数あり、コスト増要因となっていた。
今回、ビデオチャット機能を活用することで、現場の画像を担当オペレーターに直接送り、オペレーターが手書きチャット機能によって具体的なアドバイスを行い解決に導くことが可能となるほか、三者通話により現場に向かうスタッフが事前に状況を把握することで、必要な部品等を用意して出動できるようになり、1回の出動で解決できるようになった。
顧客満足度の向上につながるだけでなく出動コストを抑制する効果が期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)