米中貿易戦争に進展が見られるとの期待感からWTI原油が1バレル=50ドルの水準を超え、水曜日のアジア取引時間での原油価格は上昇した。
日本時間水曜日14時50分時点での、米国WTI原油先物は1.6%高の1バレル=50.58ドルとなった。
一方で、英国ブレント原油先物は1.4%高の59.56ドルとなった。
原油価格はアジア株と同様に上昇し、3週間半ぶりの高値に上った。アジアの主要株式指標が1%超の上昇であったのに対して、ハンセン指数は2.5%以上の上昇を見せた。
中国と米国は通商協議を3日目の水曜日まで延長し、中国の米国産品の追加購入や中国市場の開放といった議論に進展が見られた。
一方で、中国政府は米国側との貿易協定の合意に前向きであるが中国は「不当な譲歩」を行わない、とチャイナデイリー紙は水曜日に報じている。
ゴールドマンサックス(Goldman Sachs) (NYSE:GS)は、2019年の中国の原油需要の伸びは対前年比26%減の日量35万バレルまで減少すると述べている。2018年は日量47.5万バレルであった。
サウジアラビアが積極的な減産やFRBの利上げ凍結の見通しにも関わらず、原油価格は2018年の高値からの40%の下落から反発して来なかった。これは、中国をはじめとする世界経済への不透明感によるものである。
「直近の経済指標の弱さから見て、中国への不透明感が最も強い」と、ロンドンのEnergy Aspects社は今週は述べている。「11月の輸入量は最高記録となっており、12月も前月以上の水準ではあるが、今後近いうちに中国の原油購入は軟化していくはずである」