25日の原油価格は上昇している。これは、トランプ政権がベネズエラ産原油に対して制裁を検討しているという報道の影響が考えられる。
この制裁は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の独裁政権は、トランプ米大統領がベネズエラの野党指導者ファン・グアイド国会議長を暫定大統領として承認したことに反発し、米国との断交を宣言したことによるものである。
これによって、原油輸出が混乱に陥いるという懸念が浮上し、原油価格の上昇を招いている。
日本時間午後2時48分時点において、WTI原油は前日比1.3%高で1バレル=53.85ドル、ブレント原油先物は1.23%高で61.84ドルとなっている。
ニューヨークのエネルギーヘッジファンド、Again Capital社のJohn Kilduff氏は、トランプ政権がベネズエラ産原油に対して制裁を科すかどうかは懐疑的であるという。
同氏は、「制裁が発動されれば、商業用輸送セクターに大きな影響があることは目に見えている。例えば、空運業、トラック運送業、鉄道業への影響は間違いないだろう」とKilduff氏は述べた。続けて、「WTI原油価格は制裁との直接的な関係は薄いが、市場がこのニュースに注目した場合WTI原油は買われるだろう」と付け加えた。
一方で、米国エネルギー情報局(EIA)は、米原油在庫は1月18日までの週で797万バレル増と発表した。予想を4万2000バレル下回ることとなった。前週では、268万3000バレルの減少だった。
しかし、市場では米原油在庫の予想外の増加よりも、ベネズエラへの制裁の動向に注目が集まっていた。