30日の香港市場は値上がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比111.17ポイント(0.40%)高の27642.85ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が29.71ポイント(0.27%)高の10897.13ポイントとそろって反発した。
ハンセン指数は約4カ月ぶりの高値水準を回復している。
売買代金は947億6300万香港ドルとなった(29日は919億3300万香港ドル)。
中国の政策期待が強まる流れ。
中国政府の関係部局10部門は29日、「供給最適化による消費の安定成長を促し、強大な国内市場を形成するための実施案(2019年)」を発表した。
内需の喚起に向け、中国政府は自動車、家電の買い替えなどを奨励する。
人民元高の動きもプラス。
中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元の対米ドル基準値を半年ぶりの元高水準に設定した。
外国為替市場でも元高が加速している。
米連邦公開市場委員会(FOMC)や米中通商協議を意識しながら指数は安く推移する場面がみられたものの、引けにかけて買いの勢いが再び強まった。
FOMCの結果発表は30日(米時間)、通商協議は30~31日の日程で開かれる予定となっている。
ハンセン指数の構成銘柄では、本土系不動産株の上げが目立つ。
碧桂園HD(2007/HK)が4.9%高、華潤置地(1109/HK)が3.6%高、中国海外発展(688/HK)が2.7%高で引けた。
業種別では、小売や家電の消費関連が高い。
百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)が13.8%、聯華超市(980/HK)が1.5%、海信家電集団(921/HK)が4.9%、創維数碼HD(スカイワース・デジタル:751/HK)が2.6%、海爾電器集団(ハイアール電器:1169/HK)が2.3%、TCL電子HD(1070/HK)が1.9%ずつ上昇した。
自動車株も一角が買われ、北京汽車(1958/HK)が4.0%高、長城汽車(2333/HK)が3.5%高とそろって反発している。
他の個別株動向では、窒素系肥料メーカーの中海石油化学(チャイナ・ブルーケミカル:3983/HK)が8.3%高と急伸。
2018年通期利益について、27~28倍に拡大するとの業績見通しを明らかにしている。
半面、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)は1.9%安とさえない。
2018年12月期決算に関し、50~70%減益に落ち込むとの見通しを示した。
一方、本土市場は3日続落。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.72%安の2575.58ポイントで取引を終えた。
保険株が安い。
自動車株や消費関連株、発電株、インフラ関連株、資源・素材株なども売られた。
半面、不動産株は高い。
空運株や医薬品株の一角も物色されている。
【亜州IR】