4日の原油価格は小幅高となっている。原油市場で考慮すべき背景として、米国によるベネズエラ産原油への制裁による供給減の懸念や、米中間の貿易戦争は近くに合意される見通しなどがある。
日本時間午後1時27分における、3月限のWTI原油は0.2%高で1バレル55.37ドルとなっている。
ブレント原油先物では、0.06%高で1バレルあたり62.88ドルとなっている。
米国のベネズエラ産原油に対する制裁による供給への懸念は、原油価格を支える要因になっている。
米政府は28日、ベネズエラの国営の石油会社であるペトロレオス(PDVSA)への制裁を発表した。米国との断交を宣言した、マドゥロ大統領へ退陣圧力を強める狙いだ。
ロイターは、「原油価格は供給面での懸念から上昇している一方、世界経済低迷が上昇を限定的にしている」と、オーストラリア・ニュージーランド銀行の調査報告書を引用した。
ロイターの調査によると、1月のOPECの原油供給はロシアなどの減産などを受けて、2年間で最大の減少幅となった。
米中間の貿易協議は、トランプ米大統領は3月1日の関税発動を前に中国の習近平国家主席との会談を行うとしている。しかし、これらの会談で合意に至るかは確実ではない。
オーストラリア・ニュージーランド銀行は、「米中間でまだ合意には至ってないが、市場は大きな進展を遂げたという報道が後押ししている」と述べた。