アジア時間15日、米小売売上高が大幅マイナスだったことを受け原油価格は僅かに下落した後、上昇した。
米商務省が14日に発表した米小売売上高は12月に1.2%下落し、これは10ヶ月間で初めてのことだった。
一方、1月分の中国消費者物価指数(CPI)はプラス1.7%で、市場予想のプラス1.9%を下回った。生産者物価指数(PPI)も予想されていたプラス0.3%を下回り、プラス0.1%だった。
これらの経済指標の公表を受け、米株式もアジア株式も下落した。原油価格はすぐに回復したため、原油価格への影響は限定的だった。
米WTI原油先物価格は日本時間午後3時1分時点で0.4%高の54.62だった。一方、ブレント原油先物価格は0.5%高の64.85だった。
TD Securitiesのアナリストは、CPIもPPIも予想を下回ったが、トレーダーの注目は中国政府による景気刺激策の見通しに移る可能性があると考えている。景気刺激策が実行されれば経済成長を促すであろう。
ロシアとサウジアラビアによる原油減産が報道され、これも原油価格を押し上げる要因と考えられている。
米中貿易協議の進展への期待によっても原油価格は上昇したが、今日の報道を見ると合意に至るには時間がかかりそうである。
ブルームバーグによると、米中両国は貿易協議においてほとんど進展を見せていないという。