2月21日木曜日のダウ平均株価は3日続落となった。米中貿易協議への注目が集まる中、経済指標が予想を下回り、米国経済への懸念が強まった。
ダウ平均株価は前日比0.40%安、S&P500指数は0.35%安、ナスダック総合指数は0.39%安となった。
数年ぶりの低さとなった多くの経済指標が発表されたが、その数値を見るとこれから発表を控える米経済指標は、多くのトレーダーが強気に捉えていたほど堅調なものではないかもしれない。
経済の主要指標であるフィラデルフィア連銀景況感指数は、2016年5月ぶりとなる最低水準にまで落ち込み、2ヶ月連続で下落した。
中古住宅販売戸数は昨年11月15日ぶりの最低水準にまで下落し、米住宅市場も低迷している。
米中貿易協議において、中国の技術移転強要や情報窃取、市場開放、人民元安などを含む様々なな構造問題の解決に向けて進展があるとの楽観的な流れがあったものの、経済指標の悪化によって市場心理は悪化した。
米国政府が中国製品に対して追加関税を自動的に発動する3月1日までに、米中の閣僚級協議が行われる。だが、トランプ大統領は「3月1日は魔法の期日はない」と交渉期限を延期する可能性について示唆している。
米国は2500億ドル相当の中国製品(対中輸入額の約半分)に対して追加関税を発動した。そして、中国は1100億ドル相当の米国製品への報復関税を課した。
ヘルスケア企業のCVSヘルス(NYSE:CVS)は、第4四半期決算の売上高が市場予想を下回った上、会社予想純利益が市場予想を下回り、取引開始から売りが先行した。
一方、バイオジェン (NASDAQ:BIIB)は、Stifelがレーティングを「買い」から「中立」へと変更し、目標株価を397ドルから346ドルへと引き下げたことを受け、株価は4%下落した。Stifelはバイオジェンの引き下げについて、「早期アルツハイマー病薬への信頼性の低下、急増する多発性骨髄腫治療薬「テクフィデラ」の法的問題、スピンラザ脊髄性筋萎縮症に対する核酸医薬「スピンラザ」に対する競争上の脅威」を挙げた。
ドミ・ピザ (NYSE:DPZ)は、第4四半期決算が予想を下回り、9.15%下落した。しかし、チーズケーキファクトリー(NASDAQ:CAKE)の第4四半期決算は売上高と純利益が予想を下回るも、既存店売上高の伸びが1.9%とコンセンサスを上回ったことで、株価は5%反発した。
その他、テスラ (NASDAQ:TSLA)は、米情報誌「コンシューマー・レポート」がModel3への信頼性を理由に同製品への推奨を取り下げたことを受け、3.7%安となった。
21日のS&P500指数 上昇/下落銘柄:
Albemarle (NYSE:ALB)、Copart (NASDAQ:CPRT)、Norwegian Cruise Lines (NYSE:NCLH)の上昇幅が大きかった。
一方、下落幅が大きかった銘柄は、TechnipFMC (NYSE:FTI)、Concho Resources (NYSE:CXO)、Nektar Therapeutics (NASDAQ:NKTR)であった。