米国のGDP発表、日本、カナダ、トルコの政策金利決定などイースター休暇明けの金融市場は多忙な1週間となるだろう。ただし月曜日のヨーロッパの金融市場は引き続き休場のままだ。今週注目すべき5つの事柄をまとめてみた。
1. 米国GDP
2019年の第1四半期の米国GDPは金曜日午後9時30分に発表予定だ。 2018年第4四半期は2.2%だった。
先週発表の貿易収支によると、中国からの輸入がトランプ大統領による関税によって大きく落ち込んだことで、2月の米国の貿易赤字が予想外に縮小した。また、3月の米小売売上高は直近1年半で最も強い結果となったことで、エコノミストは第4四半期より成長すると予想している。
四半期毎のGDPを予測するアトランタ連銀のGDPNowは、木曜日に第1四半期は2.8%に拡大すると発表している。1ヵ月前には、GDPNowはわずか0.2%と予想しており、これは2014年第1四半期の一時的なGDP縮小以来最低となっていた。
2. 他の経済指標
GDPの前に、木曜日には3月の耐久財受注が発表される。コンセンサスでは2月の-1.6%から0.7%へと増大すると予想されている。その他の米国経済指標では、月曜日の新築住宅販売戸数と金曜日のミシガン大学消費者信頼感指数が注目される。
水曜日午後5時にはドイツのIfo景況指数が発表される。景気刺激策がインフレを刺激するのに十分であるかどうかを欧州中央銀行が議論しており、ユーロ圏最大のドイツ経済の状況が注目される。
3. 決算シーズン
米国の第1四半期の決算は、アマゾン(NASDAQ:AMZN)、フェイスブック(NASDAQ:FB)、ツイッター(NYSE:TWTR)、テスラ(NASDAQ:TSLA)など今週も引き続き多くの企業が予定されている。
主な企業ではハリバートン(NYSE:HAL)、ハズブロ(NASDAQ:HAS)、ロッキード・マーティン(NYSE:LMT)、コカ・コーラ(NYSE:KO)、イーベイ(NASDAQ:EBAY)、ユナイテッド・テクノロジーズ(NYSE:UTX)、ハーレーダビッドソン(NYSE:HOG)、AT&T(NYSE:T)、ボーイング(NYSE:BA)、キャタピラー(NYSE:CAT)、チポトレ(NYSE:CMG)、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)、Visa(NYSE:V)、インテル(NASDAQ:INTC)、マテル(NASDAQ:MAT)、サウスウェスト航空(NYSE:LUV)、スターバックス(NASDAQ:SBUX)、エクソンモービル(NYSE:XOM)、シェブロン(NYSE:CVX)が予定されている。
ヨーロッパでは、自動車部門のミシュラン(PA:MICP)、コンチネンタル(LON:0LQ1)、ダイムラー(LON:0NXX)、プジョー(PA:PEUP)、ルノー(PA:RENA)の決算が予定されている。 これらの株式は中国市場の動向に特に敏感であり、最近の中国のGDPに回復の兆しが感じられるため結果が注目されている。
4. 中央銀行
日本、カナダ、トルコの中央銀行が今週に金融政策決定会合を開く予定だ。
日本銀行は木曜日の会合で政策金利を据え置き、インフレが目標の2%を下回ったままで推移することを予想すると見られている。日銀は、世界の経済成長と貿易の鈍化によって、インフレを目標の2%に押し上げようとする長きにわたる努力がより困難になってきている。
カナダ銀行は水曜日の予定で、政策金利の据え置きが予想されている。
トルコ中央銀行は木曜日に政策金利を発表予定であり、据え置くと予想されている。中央銀行が外貨準備を増やすために短期スワップ取引を利用しているという報道で、リラは下押し圧力を受けている。
5. 日米貿易協議
金曜日に、トランプ大統領と安倍晋三首相が、日米貿易に関する協議と北朝鮮の核開発についてホワイトハウスで会談する予定だ。先週、日米当局は物品貿易協定締結に向けた最初の交渉を行った。
北朝鮮に関する議論は、トランプ大統領が2月に北朝鮮の金正恩労働党委員長との会談に失敗した後の次のステップを協議することになる。