4日の金価格は横ばいとなっている。これは投資家がFRBによる7月利下げを見込み、株式に買いをシフトしたからだと考えられる。
18時15分時点で、ニューヨーク商品取引所(COMEX)における8月限金先物は0.21%安の1417.85ドルとなっている。
米国株式の主要3指数が軒並み最高値を更新したこともあり、世界株式は概ね上昇した。一方で安全資産である金は下押し圧力を受けた。
ロイター通信によると、シンプレクス・アセット・マネジメントの債券部門ヘッドである三好紀子氏は以下のように述べている。
「株価上昇のペースが速すぎるように感じられる。世界中の投資家がこぞってキャピタルゲインを狙っている」
一方で、昨日発表された米経済指標は弱く、これがFRBの利下げを支持する結果となり、金にとっての追い風となった。
3日発表されたADP米非農業部門雇用者数は、14万増という予想を下回る、10万1000人増となった。
他のデータもFRBによる利下げを支持するものとなった。5月の米製造業新規受注は0.7%減、6月のISM非製造業購買担当者景気指数は55.1に下落した。
利下げ環境の中で、貴金属を保有する機会費用が債券などの他の資産に比べ減少するため、投資家の金への投機熱は高まる事が予想される。
ドル円が1週間ぶりの安値付近で取引されているということもまた、金への追い風となっている。