[フナフティ(ツバル) 13日 ロイター] - 太平洋小島しょ国会議の議長を務めるツバルのソポアンガ首相は13日、オーストラリアに対し、温室効果ガスの排出量をさらに削減する必要があると主張、気候変動対策を進める島しょ国に資金を供与するだけでは不十分だとの認識を示した。
オーストラリアのモリソン首相は前日、太平洋の島しょ国の再生可能エネルギー事業や気候変動対策に5億豪ドル(3億3900万米ドル)を供与すると表明していた。
太平洋の小島しょ国は、気候変動に伴う海面上昇によって水没の危機にさらされると訴えており、オーストラリア政府が石炭産業を支援していることを批判している。
ソポアンガ首相は記者団に「いくら資金を出しても、正しいことを行わない口実にはならない。排出量を削減し、炭鉱を開鉱しないことだ」と述べた。
モリソン首相は13日開幕する太平洋諸島フォーラムに出席する予定。太平洋の小島しょ国の首脳は、同フォーラムに先立ち、ツバルの首都フナフティで会合を開いた。
オーストラリアは6月、インドのアダニ・エンタープライゼズ (NS:ADEL)がクイーンズランド州で計画していた炭鉱開発プロジェクトを承認。モリソン首相は同プロジェクトを強く支持しており、これが5月の総選挙で予想外の再選を決める一因になったとみられている。
モリソン首相は、環境保護対策とアダニの炭鉱プロジェクトをどう両立させるのかとの記者団の質問に「オーストラリアは約束を守る」とし「この点を太平洋諸国の首脳と会談する際に改めて説明する」と述べた。