重陽節連休明け8日の香港市場は値上がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日72.37ポイント(0.28%)高の25893.40ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が54.01ポイント(0.53%)高の10201.34ポイントとそろって反発した。
売買代金は831億8900万香港ドルにやや拡大している(4日前場は683億9600万香港ドル)。
中国経済指標の下振れを受け、景気テコ入れ強化の期待感が改めて強まった。
取引時間中に公表された9月の財新サービス業PMIは、前月と予想を下回る51.3。
今年2月以来の低水準となっている。
9月30日に国家統計局が発表した同月の製造業PMIは49.8で推移し、景況判断の境目となる50を5カ月連続で下回った。
一方、米中貿易問題を巡っては、楽観と悲観が交錯。
米メディアが7日、中国商務部の発言として、「中国は米国と合意する用意がある」と伝えるたことはプラスだ。
半面、トランプ米大統領が同日、「香港デモに対する中国の対応は、貿易協議に影響を及ぼす」と述べたことなどはマイナスとなる。
閣僚級の協議は10~11日にワシントンで開催される予定だ(それに先がけ、次官級協議は7~8日に開催)。
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が6.9%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が2.8%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が2.6%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が2.3%高と上げが目立っている。
業種別では、小売や食品、酒造、スポーツ用品など消費関連が高い。
聯華超市(980/HK)が5.9%高、国美零售HD(493/HK)が4.3%高、統一企業中国HD(220/HK)が3.6%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.0%高、華潤ビールHD(291/HK)が3.3%高、青島ビール(168/HK)が1.7%高、中国動向(3818/HK)が3.6%高、361度国際(1361/HK)が2.9%高、李寧(2331/HK)が2.6%高と値を上げた。
半面、香港・マカオ関連銘柄の一角はさえない。
莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が4.0%安、周大福珠宝(1929/HK)が2.6%安、新世界発展(17/HK)が2.5%安、領展房地産投資信託基金(823/HK)が2.4%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.1%安、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.0%安と下落した。
香港の社会混乱長期化が嫌気されている。
3連休中も反政府行動は過激化。
域内の鉄道は一部を除き運休し、香港銀行協会は6日の声明で、市内のATM(現金自動預払機)は全体の1割が破壊されたと報告した。
一方、国慶節連休明けの本土マーケットは反発。
主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.29%高の2913.57ポイントで取引を終えた。
不動産株が高い。
食品・飲料株、金融株、医薬品株、インフラ関連株、素材株、農業関連株なども買われた。
半面、ハイテク株は安い。
運輸株、自動車株、石油株の一角も売られた。
【亜州IR】