[メルボルン 5日 ロイター] - アジア時間5日の原油先物は上昇。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による協調減産の1カ月延長を受けた買いが続いている。
米WTI先物は0128GMT(日本時間午前10時28分)現在、0.17ドル(0.3%)高の1バレル=64.00ドル。前日付けた13カ月ぶりの高値は下回っている。
北海ブレント先物は0.10ドル(0.2%)高の66.84ドル。こちらも前日の高値(67.75ドル)には達していない。
OPECプラスの決定を受けて、WTI、北海ブレントともに前日は4%超急騰した。
CMCマーケッツの首席市場ストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏は「OPECプラスの統制がどれだけ予想外だったかを示す値動きだ」と指摘。
「リスクオフの環境とドル高にもかかわらず上昇しているのがさらに驚くべきだ」とした。
サウジアラビアが日量100万バレルの自主減産を4月まで1カ月延長すると表明したことは市場にとって予想外だった。
コモンウェルス銀行のコモディティー担当アナリスト、ビベック・ダー氏はリポートで「OPECプラスの供給統制は、サウジの慎重さを好む姿勢が支持されていることを物語っている」と述べた。
アナリストはOPECプラスや米シェール業者の減産継続を踏まえ、価格予測の見直しを行っている。
OANDA(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏はリポートで「需給の引き締まりは夏まで続く可能性が高くなったため、原油価格は一段高となる可能性がある。WTIの75ドルへの上昇はもはや突拍子のない予想ではなく、ブレントは夏までに余裕で80ドルを突破する可能性がある」と予想した。