[シンガポール 13日 ロイター] - 原油先物価格は13日アジア時間の取引で上昇している。この日発表された中国の3月貿易統計で、輸入が急増したことが背景。中国は世界第2位の石油消費国。また、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、サウジアラビアの石油施設を攻撃したと伝わったことも支援材料になっている。
0356GMT(日本時間午後0時56分)時点で北海ブレント先物は0.31ドル(0.5%)高の1バレル=63.59ドル。米WTI先物は0.28ドル(0.5%)高の1バレル=59.98ドル。
中国貿易統計によると、3月の輸入は前年同月比38.1%増で、2017年2月以来の大幅増となった。
中国の原油輸入も3月に前年比21%増加した。
アクシのチーフグローバル市場ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「今回のデータは国内の景気回復を示すもので、ガソリン需要にとって朗報となる可能性がある。そのためデータ発表後に原油価格が上昇した」と語った。
米原油在庫統計で直近の在庫が減少したと見込まれていることも相場の支援材料となっている。
ロイターのアナリスト調査によると、先週の米原油在庫は3週連続で減少したと予想されている。ガソリンと留出油の在庫は増加が見込まれている。
米石油協会(API)は13日、米エネルギー情報局(EIA)は14日、それぞれ在庫統計を発表する。
フーシ派は12日、ドローン17機と弾道ミサイル2発でサウジのアラムコの製油施設などを攻撃したと明らかにした。
ただ原油価格の上値は重い。欧州での新型コロナウイルスワクチン接種の遅れや、今後数カ月にイランからの原油供給が拡大する見通しが圧迫要因になっている。
OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「一部の先進国が集団免疫に向けて前進する一方、ウイルスの感染拡大抑制に依然苦慮している国もあり、原油価格は足踏み状態となっている」と指摘した。
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