(25日配信記事で、英文の訂正により2段落目の「ヒューストンに建設している」を「ヒューストンで検討されている」に訂正しました)
[シンガポール 25日 ロイター] - 米エクソンモービルの幹部は25日、アジアに二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)の拠点を設けようとしており、複数の国と交渉を始めたと明らかにした。
同社の低炭素ソリューション部門責任者のジョー・ブロンマート氏はロイターに対して、主要プロジェクトの一つとして、米テキサス州ヒューストンで検討されている(訂正)ようなCCS拠点を東南アジアにも設けることを挙げた。
ブロンマート氏は「ヒューストンとは異なり、この地域では貯留能力が排出量の多い地域の近くにない。そのため、シンガポールのようなアジアの重工業地域にCO2回収拠点を設け、そこから他の地域のCO2貯留施設に接続するという案を検討している」と述べた。CO2の輸送にはパイプラインや船舶を利用することが可能だと指摘した。
CO2を貯留する候補地としては、エクソンが石油・ガスの生産施設を持つインドネシアやマレーシア、オーストラリアなどがある。また、同社は中国福建省で中国石油化工(シノペック)およびサウジアラムコと共同で石油精製・石油化学の複合施設を運営している。
ブロンマート氏は具体的な国には言及せずに「われわれは世界中のあらゆる選択肢を検討しており、その中にはこれらの場所も含まれる」と述べた。
同氏はまた、CCSの普及には透明性の高いカーボンプライシングと国境を超えた価格調整システムが必要だと指摘。「世界の多くの地域ではカーボンプライシングが導入されていないため、一部の事業者が価格付けしていない国にCO2を移すリスクがある」と述べた。