[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州投資銀行(EIB)が27日発表した調査で、欧州連合(EU)域内市民の過半数が自国政府は気候変動対策の目標を達成できないと考えていることが分かった。
調査には加盟27カ国の2万7700人が回答。58%が自国は2050年までに二酸化炭素排出量を劇的に減らせないと考えていた。
一方、回答者の70%が排出量削減のため人々に行動変容を促す政策を支持した。具体的には、回答者の87%が短距離の航空機利用を列車に切り替えることに「完全に」または「ある程度」賛成と回答。69%が環境に最も害のある製品に課税することを支持した。
また、81%が気候変動は人類にとって今世紀最大の課題と考え、75%が自分は政府より関心があると考えていた。
EIBのアンブロワーズ・ファイヨル副総裁は、今月末に英国で開幕する国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に言及。「COP26を控え、社会からのこうした要求は、努力強化とグリーン以降加速というわれわれへの明確な指令だ」と述べた。
調査は8─9月に実施。森林火災や洪水による壊滅的な被害で多くの欧州市民に気候変動の現実が印象付けられたタイミングだった。
EUの気候変動目標は世界的にも最も野心的で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)にすることと、この10年間の迅速な削減を法的に義務付けている。