[ロンドン 24日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)の経済委員会は、原油消費国の石油備の放出により今後数カ月、世界的に原油余剰が拡大すると予想している。OPEC関係者が明らかにした。
OPEC経済委員会は、12月2日のOPEC加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の閣僚会合を前に会合を開いた。
関係筋によると、OPEC経済委員会は、消費国が表明した規模の放出を行えば、世界市場の供給過剰は日量110万バレル拡大し、供給過剰は12月に日量40万バレル、1月に同230万バレル、370万バレルになると見込んでいる。
OPEC経済委員会の見通しについてはブルームバーグが先に報じた。
バイデン米政権は23日、日本や中国、インド、韓国、英国と協調し、石油価格の抑制に向け、戦略石油備蓄を放出すると発表した。
ゴールドマン・サックスの推計では、備蓄放出規模は7000万─8000万バレルで、世界の消費量の1日分にも及ばず「大海の一滴」と指摘している。
JPモルガンなどの一部アナリストは、主要消費者の備蓄放出を受けてOPECは増産を一時停止する可能性があるとの見方を示している。
OPECプラスは、原油増産を一時停止する協議は今のところ行っていない。関係筋が24日に明らかにした。