[メルボルン 18日 ロイター] - 原油先物価格は18日のアジア時間に上昇し、7年余りぶりの高値を付けた。イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビへの攻撃でフーシ派とサウジアラビア主導連合軍との緊張が高まっており、供給が滞る可能性が懸念されている。
ANZリサーチのアナリストは調査ノートで「新たな地政学的緊張は、市場全般に現在見られる需給の引き締まり傾向を強めた」と指摘した。
0316GMT(日本時間午後0時16分)時点で、北海ブレント先物は1.01ドル(1.2%)高の1バレル=87.48ドル。一時、2014年10月29日以来の高値である87.55ドルまで上昇した。
米WTI先物は1.32ドル(1.6%)高の85.14ドルと、3カ月ぶりの高値。17日は米国の祝日で商いが低調だった。
フーシ派による無人機(ドローン)とミサイルによる攻撃で燃料トラックが爆発し、3人が死亡。フーシ派は他の施設も標的にする可能性があると警告し、UAEは「テロ攻撃に対応する権利がある」と表明した。
アブダビ国営石油会社(ADNOC)は燃料貯蔵庫での異常事態の発生を受け、国内外の顧客への供給が途切れないよう事業継続計画(BCP)を発動したと表明した。
コムセックのアナリストは、原油価格は北半球の寒波による暖房用燃料の需要拡大によって支援されていると指摘。
アナリストらは、需給の引き締まった状態が緩む可能性は低いと予想。石油輸出国機構(OPEC)の一部加盟国は投資や電力の不足で生産量がOPECプラスの合意で認められた水準に達していないからだとした。