[24日 ロイター] - 英金融大手バークレイズは24日、2022年の平均原油価格の見通しを1バレル当たり5ドル引き上げた。在庫が極めて逼迫していることや余剰生産能力の縮小、新型コロナウイルスの感染による需要への影響が比較的小さいことなどを理由とした。
バークレイズは「原油価格については、引き続き前向きな見方をしている。21年第4・四半期の不足分がより大きかったと推計されることで、22年初の在庫が予想より低くなったことと、22年上半期の余剰量が予想より若干小さくなったことが主な要因だ」と指摘した。
北海ブレント先物と米WTI先物の22年の平均価格見通しをそれぞれ1バレル=85ドル、同82ドルに引き上げた。余剰生産能力が縮小する中で地政学的リスクが高まっていることから、価格見通しの上振れリスクがあるとした。
24日の北海ブレントは1バレル=88ドル前後、米WTIは同86ドルで、東欧・中東情勢の緊迫化に伴う供給懸念を背景に上昇している。
バークレイズは、余剰生産能力が縮小しているため、リビアの政情不安やウクライナを巡る軍事的緊張の高まりで供給が停止すれば価格上昇リスクが高まるとした。
また、新型コロナのオミクロン変異株感染者の急増が原油需要に与える影響は今のところ限定的だと指摘。21年、22年の需要予測をそれぞれ日量17万バレル、日量18万バレル増加させたとした。
バークレイズは「22年下半期の供給過剰見通しは若干増加しているが、これは主に石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国で構成するOPECプラスの供給量の増加が早まるためだ。OPECプラスの供給増加の早まりは余剰能力の著しい減少につながり、価格の支えになるとわれわれはみている」と説明した。
バークレイズは、OPECプラスが今後数カ月間、現在のペースで生産目標を引き続き上げると予想し、22年のOPECの平均供給見通しを日量50万バレル引き上げた。