[アンカラ 24日 ロイター] - トルコ中央銀行のカブジェオール総裁は24日、ウクライナ紛争が続く中で、エネルギー価格高騰による経常収支へのリスクを注視していると述べた。投資家との電話会合に参加した関係者2人が明らかにした。
エルドアン大統領が進めるトルコの経済政策は、低金利と生産・輸出拡大で経常収支の黒字化を目指している。だが、ウクライナ紛争による商品価格上昇や観光収入への影響で実現が危ぶまれる可能性がある。
会合参加者によると、カブジェオール総裁は、紛争による観光収入へのリスクは管理可能との認識を示した。
ロシアのウクライナ侵攻前には、両国がトルコの外国人入国者の約3割を占めたほか、通商・防衛面でも主要なパートナーだった。
中銀当局者は会合で、軍事侵攻後にロシア向け輸出は半減し、ウクライナ向けは停止したと述べた。
また、カブジェオール総裁は、インフレ高進について中銀はやや懸念しているものの、インフレの惰性が起きるとはみていないとし、商品価格の前向きな動向に伴い鈍化するとの見方を示したという。