[ワシントン 4日 ロイター] - 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが4日発表した4月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は24万7000人増と、市場予想(39万5000人増)を下回った。労働力不足が重しになり、増加幅は2020年4月以来2年ぶりの低水準となった。
3月の雇用者数は47万9000人増と、当初発表の45万5000人増から上方改定された。
4月は広範な業種で雇用の増加ペースが減速。レジャー・接客業は20年終盤以来の小幅な伸びとなった。
ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「雇用需要は依然として強いものの、労働力の供給不足を受け、雇用の増加ペースが鈍化した」と指摘。「労働市場が引き締まる中、従業員50人未満の小規模企業はコスト増の中で賃金競争に直面している」と述べた。
PNCフィナンシャルのチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は「今年は雇用の伸びが鈍化していくと予想されるが、これは労働需要がないのではなく、労働力の供給不足によるものだ」とし、「労働市場が引き締まっていることで賃金が押し上げられ、インフレ圧力の一段の高まりにつながっている」との見方を示した。
米労働省は6日に4月の雇用統計を発表する。