[東京 27日 ロイター] - 新型コロナウイルス渦で国際線を停止していたANAホールディングス傘下の格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)が約2年半ぶりに韓国ソウル線の運航を再開する。感染が小康状態にある両国が入国制限を緩和したことで、観光需要を中心に運賃の安いLCCへの需要が高まると判断した。
事情を知る関係者によると、8月28日から関西空港と韓国・仁川空港を結ぶ路線を週6往復運航する。ピーチは2020年3月以降、一時的に再開した台北線を除き国際線の運航を全面停止。コロナ前は中国・上海や香港、台湾などアジア17路線を運航し、売上高の半分ほどを占めていた。
「飛べる路線から飛ばし、少しでも国際線を再開したい」と同関係者は話す。
中国は今も観光目的の入国を認めておらず、台湾も感染者が増加傾向にある一方、韓国は感染状況が落ち着きを取り戻している。19年には日韓関係の悪化で訪日客が減り、減便・運休に追い込まれたが、今年5月に誕生した新政権は関係改善に前向きなこともあり、ピーチは一定の需要が期待できるとみている。
ピーチの広報担当者はロイターの取材に対し、「当社が発表したものではない」と回答した。
日韓路線は、両国政府の認可により今月29日から東京・羽田と韓国・金浦を結ぶ路線の再開も決まった。ANA傘下の全日本空輸、日本航空(JAL)、韓国の大韓航空とアシアナ航空の4社が順次運航を再開する。JAL傘下のLCC、ジップエアは20年10月に成田と仁川間を同社の旅客便として初就航、増便を重ねて7月4日からは毎日運航する予定となっている。