[モスクワ 6日 ロイター] - ロシアの裁判所は、カザフスタンから黒海に至る原油パイプライン「カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)」に30日間の操業停止命令を出した。CPCには米シェブロンなどが参画し世界の原油の約1%を輸送している。操業停止は、原油供給に対する懸念を強める可能性がある。
ただ業界筋によると、黒海のCPCターミナルの原油輸出は6日午前の段階で続いている。油田からCPCの施設への原油供給も途絶えていないもよう。
CPCによると、操業停止命令は、原油漏れへの対応を巡る書類手続きに関連している。ロシアのアブラムチェンコ副首相が規制当局にロシア国内の施設の点検を指示。点検の結果、原油漏れへの対応計画に「書類上の」不備が見つかったという。
CPCはロシア・ノボロシースクの裁判所に不服申し立てをし、パイプラインの装置に取り返しのつかない影響をもたらす可能性がある停止の回避に向け、命令の執行停止を求めたとしている。
カザフ政府はCPC経由の輸出の制限に対応するため、対策を協議していると表明した。
米政府はロシア産石油に対する制裁を発動しているが、カザフからロシアへの原油輸送は継続すべきだと主張している。
CPCは昨年、カザフの主要原油油種「ライトサワーCPCブレンド」最大5400万トン(日量120万バレル)を黒海から輸出した。
CPCの操業は今年、黒海の設備が破損したことを受けて、すでに中断されている。大規模な操業停止となれば、国際原油市場が一段の圧力に見舞われることになる。
これとは別に、カザフ警察はCPCに原油を供給する主要油田であるテンギス油田で爆発があり、作業員2人が死亡したことを明らかにした。インタファクス通信が伝えた。
業界筋によると、同油田の操業は事故後も続いている。