[プノンペン 3日 ロイター] - 東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議が3日、開幕した。議長国カンボジアのフン・セン首相は冒頭、ミャンマー軍事政権が囚人の死刑をさらに執行すれば、ASEANはミャンマーとの和平計画の再考を迫られると述べた。
ASEANはミャンマーに対し、昨年合意した5項目の和平計画を順守するよう求めており、ミャンマーの軍事政権が民主活動家4人の死刑を執行したことを非難している。
フン・セン首相は和平計画について、誰もが望む通りには進展していないものの、人道支援の提供などでは一定の前進があったとした。
だが、民主活動家の死刑執行を受けて状況は「劇的に変化」し、和平計画の合意前より悪化したとみることもできると指摘。
「判決見直しを求める私や他の人々の訴えにもかかわらず死刑が執行されたことに(ASEAN諸国は)深く失望している」と述べた。
ASEAN議長報道官が1日明らかにしたところによると、今週の会議にミャンマーの代表は出席しない。国軍以外の代表を送る案を軍政が拒否したという。
シンガポール外務省は、ミャンマーが和平計画を「軽視している」とし、「この面で進展がなければ、ミャンマー軍当局とのさらなる関与には限られた価値しかない」とした。
マレーシアのサイフディン外相は、ミャンマー政府がASEANのあらゆる人々をいら立たせ、和平計画を馬鹿にしているとした。
ASEAN外相はまた、ペロシ米下院議長による訪問後の台湾の動向についても懸念を表明。カンボジア外務省高官は「われわれはあらゆる関係者が緊張緩和に向けて最善を尽くし、緊張激化を助長するような行動を避けることを望む」と述べた。
一方、ミャンマー外務省は別の声明で、ペロシ氏の訪台が地域の緊張激化の要因になっていると指摘。「ミャンマーは、地域の不安定化を引き起こすいかなる挑発的な行動にも、他国の内政に干渉しようとする試みにも反対する」とした。