[ロンドン 9日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のラムスデン副総裁は、リセッション(景気後退)により利下げを余儀なくされたとしても、英中銀は国債を段階的に売却する計画を進めるとの見解を示した。
ロイターのインタビューで、景気後退により来年は利下げが必要になるとの金融市場の見方について、予想していないが「否定はしない」と述べた。
しかしこうした状況でも国債売却による「量的引き締め」は続けられる可能性があるとし、量的引き締めのペースを維持すると中銀が伝えてきたことと整合的と述べた。
英中銀は先週、経済や金融市場の混乱により債券売却を停止するための「高いハードル」を設けると表明している。
ラムスデン氏は量的引き締めについて、金融引き締めを強化することになるが、効果は政策金利と比べて限定的で、金融市場や経済の状況によって異なるとの見方を示した。
量的引き締めにより市場のボラティリティーが高まる可能性を認識していると述べ、国債売却に市場がどう反応するかを注視していると語った。
「実際に売却すれば多少は価格が動くかもしれない」とする一方で、売却額は四半期ごとに100億ポンドであり「緩やかで予測可能だ」と述べた。
<準備預金の縮小>
量的引き締めによりバランスシートをどこまで縮小できるかとの質問に対し、金融業界からの聞き取りに基づくと、現在の中銀準備金への需要はおそらく保有額の半分よりわずかに少ない水準と述べた。
「英国債の保有量を減らすという意味で、この需要にアプローチすることになるが、何年もかかる」と指摘した。
英中銀は先週、新たに短期レポ制度(STR)を発表した。ラムスデン氏は国債売却が始まった時点で活用できるようにすると述べた。
「われわれはSTRが利用されることを望んでいる。STR(の活用)で汚名を着せられることがないよう、できる限りのことをする」語った。