[北京 30日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は29日、一部都市で初めての住宅購入者向けローン金利の下限を段階的に引き下げることを地方政府に認めると発表した。不動産価格を下支えし、低迷する市場を再生することが狙い。
ウェブサイトに掲載された声明によると、地方政府は2022年末までに、下限金利を維持するか、引き下げるか、廃止するかを決定できる。
人民銀は5月、初回住宅購入者の住宅ローン下限金利を引き下げ、同じ期間のローンプライムレート(最優遇貸出金利、LPR)を20ベーシスポイント(bp)下回る水準とした。住宅ローンの目安となる5年物LPRは現在4.30%。
人民銀は29日の声明で、2022年6─8月に新築販売価格が前月比、前年比ともに下落した都市については、住宅ローンの下限金利が緩和されると表明。「こうした政策や措置の導入は、不動産市場の着実かつ健全な発展促進に向けた政策手段を各都市の政府が十分に活用することを支援する」とした。
借り手の負担軽減と住宅需要押し上げに向け、新規ローン金利を銀行と顧客が交渉することも認める。
中国国家統計局の調査によると、国内70都市のうち23都市で6月から8月にかけて新築住宅価格が前月比および前年比で下落が続いた。
アナリストは、住宅ローン金利の下限規制緩和はセンチメント的にプラスだが、一段の刺激措置が必要と指摘する。
ゴールドマン・サックスは「今後数カ月で地方政府の住宅規制緩和の動きがさらに出てくるだろう。しかし不動産セクターの大幅な回復には追加の政策措置と時間が必要だ」と述べた。