[北京 30日 ロイター] - 中国国家統計局が30日発表した9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1となった。大都市での厳格な新型コロナウイルス規制や輸出の減速にもかかわらず、景況改善・悪化の分岐点となる50を3カ月ぶりに上回った。
8月は49.4。ロイター調査のエコノミスト予想は49.6だった。
最近の一連の政策措置が寄与した形だが、一方でサービス部門の伸びが急減速し、民間の製造業PMIも低調だったことから、経済が成長の勢いを取り戻すのに苦労している様子が見て取れる。
国家統計局が発表した9月の非製造業PMIは50.6と、前月の52.6から低下した。
財新/マークイットが発表した9月の製造業PMIは48.1と前月の49.5から低下し、一段の景況悪化を示した。
中国政府は5月下旬以降、50以上の政策措置を打ち出したが、度重なるロックダウン(都市封鎖)、不動産危機、輸出需要の低迷が企業や消費者の信頼感を圧迫している。
国家統計局の製造業PMIでは、新規輸出受注指数が8月の48.1から47.0に低下。外需は金利上昇、高インフレ、ウクライナ戦争によって打撃を受けている。
政府は第4・四半期に政策支援の実施を推し進めると表明している。
キャピタル・エコノミクスのエコノミストは「今回の統計では中国経済が9月も失速したことが浮き彫りとなった。世界経済の低迷が輸出の重しとなったほか、新型コロナ流行を巡る混乱でサービス業が再び打撃を受けた」とし「元安圧力により金融緩和にも制約がある」と述べた。
国家統計局の高官は「一連の経済対策が施行され、猛暑の影響も和らいだことで、製造業が回復しPMIが再び50を上回った」と分析。新型コロナの流行で小売り、航空、宿泊、ケータリング部門が急激に悪化した一方、政府主導のインフラ投資で建設活動が加速していると述べた。
*エコノミストのコメントなどを追加します。