[23日 ロイター] - ロシア当局は23日、ウクライナと国境を接する西部ベルゴロド州にウクライナ側から侵入してきたとする戦闘員の集団を、2日間にわたる戦闘の末に撃退したと発表した。こうした戦闘はロシアによるウクライナ全面侵攻開始以降で最大規模だったとみられている。
戦闘の終了は確認はできていないものの、襲撃の背後にいると主張する2つのグループのうち1つが「われわれはいつの日か、またここに戻ってくる」とソーシャルメディアに投稿した。
ロシア軍は、70人を超える「ウクライナの民族主義者」を殺害し、4台の装甲車を破壊したと発表。ロシア国防省は「国粋主義者の残党をウクライナ領に押し戻した。完全に排除するまで銃撃を続けた」と表明した。
この戦闘により、ロシアはウクライナ国境沿いの地域から住民を避難。ベルゴロド州のグラトコフ知事は23日、前日の戦闘を受け導入された反テロリズム対策が解除されたと明らかにした。
今回の攻撃に関与を表明したのは「自由ロシア軍団」と「ロシア義勇軍団」という2つのグループ。双方ともロシアのプーチン政権打倒を掲げるロシアの戦闘員で構成されていると表明している。
ロンドンに本拠を置くマヤク・インテリジェンスのマーク・ガレオッティ代表は、過激派グループはプーチン政権打倒を掲げるさまざまな政治的観点を内包していると指摘。同時に「これらは独立した勢力ではないと認識しなければならない」とし、「ウクライナの軍事情報機関にコントロールされており、ウクライナから兵器供給と支援を受けている」と述べた。
ウクライナは関与を公式に否定している。ポドリャク大統領顧問は「ウクライナは関与していない」とツイッターに投稿。皮肉を込めて「周知の通り、戦車はロシアの軍需店で売られているし、地下組織のゲリラ集団はロシア国民で構成されている」とした。
ロシアは、ウクライナの破壊工作集団が攻撃を仕掛けたと主張。ペスコフ大統領報道官は「ウクライナの過激派がロシアに対する活動を続けていることが改めて確認された」と述べた。攻撃を仕掛けた戦闘員がロシア人だったと報道については「ウクライナには多くのロシア系民族が住んでいる」とし、攻撃を仕掛けたのは「ウクライナ出身の戦闘員」だったとの見方を示した。
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