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NYの視点:米FRB、年内の利上げが一段と困難に

発行済 2015-10-15 07:33
更新済 2015-10-15 08:00
NYの視点:米FRB、年内の利上げが一段と困難に
米国の利上げのタイミングに関する見解が年内の利上げを依然支持している連邦準備制度理事会(FRB)高官と年内の利上げの可能性をほとんど除外している市場関係者との間でかい離が拡大している中、いくつかの米国の消費関連指標は景気後退(リセッション)時の水準に後戻りしている。
米商務省が発表した9月小売売上高は前月比0.1%増と、市場予想の0.2%増を下回った。
8月分も0.2%増から横ばいに下方修正された。
前年比では2.4%増と、景気後退が開始した直後2008年初旬と同水準。
変動の激しい自動車を除いた小売は前月比0.3%減と、予想の0.1%減を下回り2ヶ月連続のマイナスとなった。
8月分は0.1%増から0.1%減に下方修正された。
国内総生産(GDP)の算出に使用される食品、自動車、建材、ガソリンを除いた“control group”の小売は0.1%減と、8月の0.2%増から減少に落ち込んだ。
8月の企業在庫は前月比横ばい。
7月分も0.1%増から0.0%へ下方修正された。
売り上げ高は0.6%減と、マイナスに落ち込んだ。
売り上げ在庫比率は1.37と、7月の1.36から上昇。
売り上げの減少で在庫が積みあがり比率は景気後退が終了した2009年中ば以来の高水準となった。
在庫は上半期の力強いペースから鈍化が予想されていたものの、失望感は否めない。
バンクオブアメリカメリルリンチは、7-9月期国内総生産(GDP)見通しを従来の1.7%から1.3%へ、仏BNP銀行は2.5%から2.3%へ、ゴールドマンサックスは1.5%から1.2%へ、JPモルガン銀行は1.5%から1.0%へそれぞれ引き下げた。
米商務省が国内総生産(GDP)を算出するために使用しているモデルと似たモデルを使用しているアトランタ連銀も7-9月期GDPの見通しを0.9%成長と、従来の1.0%成長から引き下げた。
金融先物市場での年内の利上げ確率は、30%を割り込んだ。
確率が90%を超えるのは2017年以降になる。
ゴールドマンサックスは現状で、少なくとも2016年3月まで米国の利上げの可能性は少ないと見ている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)はインフレが中期の目標値2%に達するのは2018年と見ていることを考慮すると、利上げの開始が2016年後半、2017年になってもおかしくない。
こういった状況下、ドル買いの勢いも失速すると予想される。

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