[ミラノ 5日 ロイター] - フランス・イタリア系半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクスは5日、イタリアのシチリア島東部カターニアに炭化ケイ素(SiC)基材工場を新設し、2026年までの5年間で7億3000万ユーロ(7億2800万ドル)を投資すると発表した。自動車メーカーなどの電動化に伴う需要増大に応えるためとした。
資金面はイタリア政府が2億9250万ユーロを支援する。政府の経済活性化計画の一環で、欧州連合(EU)欧州委員会から補助金付与の承認を得た。既存のSiC機器工場に併設し、来年中の生産開始を見込む。約700人の新規雇用を予定。
欧州委は2月に欧州半導体法を掲げ、30年までに半導体産業に総額150億ユーロを公的・民間ベースで投資する道を提示。既に計画していた300億ユーロの公的投資と合わせ、域内の半導体生産能力の増強に動いている。今回はこの枠組みの初の活用例。
欧州委のベステアー上級副委員長(競争政策担当)はこの日、「イタリア政府の支援措置により欧州の半導体サプライチェーンが強化され、欧州のグリーン化とデジタル化への移行に資する」との声明を発表。「域内産業が出力効率性の高い半導体の革新的な基財で信頼できる供給源を得られることになる」とし、電気自動車(EV)や充電ステーションでこうした製品や技術が用いられると歓迎した。