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窪田製薬HD Research Memo(3):新たに有人宇宙探査に携行可能な超小型OCTの開発にも注力

発行済 2019-07-12 15:03
更新済 2019-07-12 15:21
© Reuters.  窪田製薬HD Research Memo(3):新たに有人宇宙探査に携行可能な超小型OCTの開発にも注力
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■主要開発パイプラインの概要と進捗状況1. 開発パイプラインの進捗状況について窪田製薬ホールディングス (T:4596)は開発パイプラインとして、医薬品ではエミクススタト(適応症:スターガルト病、増殖糖尿病網膜症)、ヒトロドプシン※を用いた遺伝子治療(適応症:網膜色素変性)の開発に注力しており、また、医療デバイスは在宅・遠隔医療モニタリングデバイス「PBOS」の開発や、有人宇宙探査に携行可能な超小型OCTの開発をNASAと共同で進めている。

※ヒトの網膜の杆体細胞を構成するタンパク質の一種で、光受容体(光信号を電気信号に変えて脳に伝達する)の機能を果たす。

2019年12月期第1四半期の進捗状況について見ると、エミクススタトのうち、スターガルト病を適応症とした開発は臨床第3相試験(2018年11月開始)が順調に進んでおり、2019年6月には欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)からオーファンドラッグ※指定を受けたことを発表している。

2019年内に被験者登録を完了させ、2021年内の臨床試験終了を目標としている。

※欧州では、生命を脅かすような疾患や重篤で慢性的な衰弱状態の疾患で、1万人当たり5人未満の発症率である疾患の診断や治療のための医薬品が指定対象となり、上市後10年間の市場独占販売権、医薬品の製造販売承認申請費用の減額、優先承認審査等のインセンティブを受けられることになる。

なお、米国でも2017年1月にオーファンドラッグ指定(上市後7年間の独占販売権)を受けている。

また、増殖糖尿病網膜症を適応症とした開発については、2018年1月に臨床第2相試験を完了し、主要評価項目は達成しなかったものの、2019年4月28日から5月2日にカナダで開催された「ARVO(視覚と眼科学研究協会会議)2019年年次総会」において、臨床試験責任医師であるChirag Jhaveri博士から、「エミクススタトの投与により糖尿病網膜症及び糖尿病黄班浮腫の進行に関連のある網膜の厚みや網膜全体の容積において改善する効果が認められた」との発表があった。

同社はこれを受けて、今後の開発戦略の検討を進めている段階だが、臨床第3相試験に進むためには共同開発パートナーとの契約締結が必要となるため、契約締結を可能とする有効なデータの蓄積が今後の課題となる。

「PBOS」については2018年10月に試作機での臨床試験が完了し、主要評価項目を達成したことから、現在は実際に販売する量産機の最終仕様の確定作業と製造委託先の選定を進めている段階にある。

2019年内に米国で510(k)による承認申請を目指している。

網膜色素変性を適応症とした遺伝子治療については、2018年1月にSIRION(ドイツ)とアデノ随伴ウイルスベクター確立のための共同開発契約を締結し、同年11月にはプロモーター、カプシド、導入遺伝子(ヒトロドプシン)の最適化プロセス確立に向けた取り組みを開始した。

2020年の非臨床試験開始、2021年のIND(臨床試験用の新医薬品)申請を目指している。

そのほか、2019年3月に発表したNASAとの小型OCTに関する開発受託契約では、有人火星探査に携行可能な超小型眼科診断装置を開発する。

開発期間は3〜4年で、開発に要する費用はTRISHを通じてNASAより全額助成される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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