[モスクワ 10日 ロイター] - ロシアは10日、米国とその同盟国がロシアに対する安全保障を真剣に検討しない限り、西側諸国との大規模な対立が起きる危険性があると警告した。欧州のミサイル危機の可能性も示唆した。
ウクライナとの国境付近でのロシア軍増強を巡ってロシアと西側諸国の緊張が高まっている中、ロシアのリャブコフ外務次官がモスクワでの記者会見で表明した。
ロシアのプーチン大統領は緊張緩和に向けたバイデン米大統領との7日のビデオ通話で、バイデン氏に対して北大西洋条約機構(NATO)の東方への勢力拡大を中断することによるロシアへの安全保障を求めた。
ロシアは提案の行方を見守るとしているが、リャブコフ氏は安全保障を得られると期待するのは「甘い」との見方を示した。2国関係は、1991年のソビエト連邦崩壊以降で最も悪化している。
リャブコフ氏は「われわれに反対する陣営、つまりアメリカをはじめとする他の国々、その同盟国、いわゆる同じような意志を持つ国々がこれを拒否して妨害しようとするならば、必然的に自国の安全保障状況をさらに悪化させることになる」とし、「同意しないということは、大きな対立に近づくことを意味する」と述べた。
さらに西側諸国に対し、欧州での短・中距離ミサイルの配備を一時停止するという長年の提案を真剣に検討するように求めた。
リャブコフ氏は、米国とNATO同盟国が東欧で軍事力を拡大していることを批判。「欧州での新たなミサイル危機回避が手遅れとなる前に対応が必要だ。これらの領土に短・中距離兵器が出現することは、対立をエスカレートさせることへの直行ルートになる」と訴えた。