ドル/円
正午現在 81.79/81 1.3855/59 113.32/37
午前9時現在 81.83/86 1.3865/67 113.46/49
NY17時現在 81.84/88 1.3867/72 113.53/58
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[東京 3日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ
同じ81円後半。午前の外国為替市場はユーロ圏の利上げ期待からユーロが対ドル、対円
で底堅く推移した。ドル/円は動意が薄く、前日のニューヨーク市場終盤の水準のままも
み合った。
前日の欧米市場で上昇したユーロは、アジア時間に入ると調整売りでやや強さが緩んだ
ものの、対ドルで1.38ドル半ば、対円で113円前半から半ばで推移した。きょうは
日本時間午後9時45分に欧州中央銀行(ECB)が理事会を開き、政策金利を発表する。
市場は今回の会合で金利を引き上げるとは見ていないが、トリシェ総裁が会見で早期の利
上げを示唆すると踏んでいる。「金融政策の体感温度が米国よりも欧州のほうが高いので、
隙あらばユーロが上昇する圧力が働く」(外為どっとコム総合研究所の植野大作社長)と
の声が聞かれた。
前日の欧米市場でも利上げを意識したユーロ買いが進み、ユーロ/ドルは約4カ月ぶり
の高値1.3890ドルをつけた。「きょう(の理事会)は経済見通しも出してくるはず
で、2%を明らかに超えるようなインフレ見通しを出してくるようだと、引き締めのサイ
ンと認識され、ユーロの上昇ペースは加速する可能性がある」(みずほコーポレート銀行
マーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)との声が聞かれた。一方で「失望リスクも織り
込んでおいたほうがいい。今の値動きは(トリシェ総裁の発言が)強気なトーンになるこ
とを織り込んでいるとしか思えない」(同)との指摘もあった。
ドル/円は、底堅いユーロ/ドルとクロス円にはさまれて、おおむね81.8円台でこ
う着した。邦銀の関係者によると、ドルの81.50円以下は輸入勢を中心にまとまった
買い注文が観測されている。輸出勢を中心とした売り注文は82円台から増え始め、83
円以上になると「うじゃうじゃいる」(邦銀)という。
日本の財務省が午前8時50分に発表した2月20日から26日の非居住者による対内
証券投資は、中長期債が8621億円の取得超だった。「リビア混乱によりヘッジファン
ドが逃避的な買いを入れたのではないか」(市場筋)との声が出ていた。この週は、カダ
フィ大佐の辞任を求めるデモが広がるなどしたため政情不安が拡大。世界で株式が売られ、
安全資産である債券にマネーが向かっていた。
(ロイターニュース 久保 信博記者)